赤坂 珉珉
東京で長年人気を保っている町中華屋さんはあちこちにあり、それぞれ看板メニューがあったりします。その看板メニューとは別に焼きそばを提供している場合も多々あり。今週はそんなお店の焼きそば、それもあんかけではなく混ぜ炒めタイプの焼きそばを3軒ご紹介します。まずは餃子が人気の、あのお店!
7月23日にTOKYO FM系列で放送されたラジオドラマ「NISSAN あ、安部礼司」は焼きそば特集だった。普段はテレビもラジオもほとんど視聴しないのだが、メディアでどんな焼きそばが紹介されるのかは興味がある。その中で取り上げられた一つが餃子の超有名店、赤坂珉珉だ。
餃子の名店というのは知っていたが、焼きそばも美味いとは盲点だった。早速訪問せねばと思ったのだが、超人気店ゆえ、そこからが大変。平日の仕事が終わってから一人で寄ってみたが、予約でいっぱいで入れず。普段も予約が無いと難しいと言われた。さて、どうしたものか。
こんな時、頼りになるのは普段から懇意にしていただいている餃子マニア、東京餃子通信の塚田編集長。たまたまお会いした機会に相談したところ、「今日は行けそうという日に、一人ですけど入れますか?と電話してみるのが良い」とコツを教えてくれた。それから3回くらい日を変えて電話し、8月上旬、ようやく空きがある日に訪れることができた。
その日は赤坂のTBSでとある番組の打ち合わせがあり、それを終えた直後に徒歩で訪問。細い通りのさらに裏路地で、場所をあらかじめ知ってないと絶対に通り過ぎてしまうことだろう。入口は店に向かって左端。客席は厨房に面したカウンターが10席ほどと、外に面したカウンターも数席。奥にテーブルもあり、上の階もあるそうだ。
ホールを仕切る女将さんは、他のスタッフから「お母さん」と呼ばれていた。混んでいるので注文を取りに来るのもちょっと待つ。その間にメニューをチェック。焼き餃子(540円)、肉糸炒麺(焼そば/750円)、ビール中瓶(アサヒスーパードライ/570円)というラインナップで攻めてみた。餃子に次ぐ人気メニューのドラゴン炒飯も食べたいが、今日は我慢しておこう。
赤坂珉珉はお通しも名物らしい。大根の漬物、白髪ネギ、肉みそ、揚げニンニクの小皿盛り合わせ。「お通しはよーく混ぜて。ビールはゆっくり飲みなさい」と女将さん。餃子が出るまで時間が掛かるから、ビールの2本目を頼まなきゃならなくなるよ、とのこと。ねっとりしたニンニクに大根とネギの歯応え、風味。これはビールが進むお通しだ。女将さんの予想通り、餃子が出てくるタイミングで2本目を注文してしまった。
そしてこの店の看板メニュー、焼き餃子が出てきた。焼き目は平たくパリッとクリスピー。それでいて皮はモチモチ。餡の下味がしっかりついていて、そのまま食べてみても美味い。塚田さんの記事によると餡を皮で包んだ後、一旦凍らせて味をなじませいるそうだ。
さらに、この店の代名詞にもなっている酢コショウはお母さんが事前に作って用意してくれる。たっぷりの黒コショウにお酢というシンプルなつけダレだ。餃子自体の味付けがしっかりしているから、このくらいさっぱりしたタレが良いのだろう。餃子と驚くほどマッチしていて、めっちゃ美味い。胃袋に余裕があればもう一皿食べたいくらいだ。
続いて出てきた焼きそば。漢字表記で肉糸炒麺で、店では「チャーメン」とも呼んでいた。麺はツルツル・シコシコの平打ち麺。具は肉とモヤシ、ニラ。皿の端に豆板醤が添えてある。構成要素はかなりシンプルだ。ここ赤坂珉珉のルーツは渋谷恋文横丁にあった「珉珉羊肉館」と聞くが、女将さんの話では、焼きそばも渋谷時代と同じものを今でも出しているそうだ。
味付けはほんのり醤油風味で、モヤシの甘さを感じる程度の控えめな塩加減。刻みニンニクとその風味を移した油で炒められていて、かなりオイリーである。麺のしなやかさにニラの香り、そしてニンニクの風味と相まって飽きさせない味わいだ。
皿の端に添えられた豆板醤を混ぜて、辛口に味変させるのもまた楽し。餃子のインパクトの陰に隠れてしまいそうだが、確かにこれはかなり美味い焼きそばだ。
餃子と焼きそばで順調にビ―ルも進み、2本目の瓶も空いてしまった。お会計は2670円だったかな。餃子とタンメンと焼きそばは正の相関関係がある、というのが私と塚田さんの一致する意見なのだが、ここ赤坂珉珉でもその仮説が裏付けられた。それにしても美味しい餃子だったなー。うーん、また食べたくなってきた。
店舗情報 | TEL: 03-3408-4805 住所: 東京都港区赤坂8-7-4 営業時間: 11:30~14:00 17:30~22:30 定休日:日曜・祝日、8月11~17日 |
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主なメニュー | 肉糸炒麺(焼そば) 750円 焼餃子 540円 |
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