カフェ みつばち
※食べログのステータスが「掲載保留」になってます。閉店してしまったかも……?
1月末の平日、冷たい雨の降る昼下がり。四谷三丁目で用事を済ませ、ランチの店を探しながら曙橋方面に歩いている途中で、とある喫茶店が目に留まった。店頭のランチメニューの筆頭にオムそばが載っている。
「カフェみつばち……?」
どんな品だろうかと入店。ランチのピークは過ぎていたため店内は空いていた。テーブル6卓ほどとカウンター席でキャパは20人くらいだろうか。清潔感に溢れて明るい雰囲気のカフェだ。
「いらっしゃいませ」
店を切り盛りするのは渋いマスターと奥さん――お若くて娘さんと勘違いしてしまった(汗)――のお二人。先客は1人だけでオムレツプレートを食べている。手近なテーブルに着席してメニューを確認。そこにはオムそばよりも気になる品があった。
「すみません、このタラコの月見納豆やきそば(800円)っての、ください」
「はーい」
普段の私なら初訪問の店では必ず定番メニューを食べるのだが、今回はインパクトにやられてしまった。和風パスタからの発想だろうけど、焼きそばだとどうなるのだろう。
厨房からフライパンで炒める音が聞こえてくる。5分ほどで焼きそばとサラダが盛りつけられた楕円のプレートと味噌汁入りのマグカップが配膳された。うーん、美味しそう。
メインはタラコの粒々がたっぷり絡んだ焼きそば麺。納豆を乗せて真ん中に卵黄。そして刻み海苔がトッピングされている。タラコは焼きそばを炒めてから和えているのかな。
麺は富士宮系のコシの強いモチモチ蒸し麺を使用。ご主人に尋ねたところ、富士市にある荒川製麺の蒸し麺を使っているそうだ。店頭には「富士山の湧水で作る蒸し麺のやきそば」という貼り紙もあった。
富士宮市の隣に位置する富士市でも、富士宮と同様のコシの強い蒸し麺が昔から食されている。富士宮やきそば学会では認定されていないが、荒川製麺も地元・富士市で長年愛されてきた。というか、ほとんど知られていないが、以前ブログで紹介したとおり、焼きそば専門店は富士市の方が古くから存在していた。富士宮があくまでもお好み焼(洋食)メインだったことを考えると、地元の焼きそばの特殊性と美味しさに気付いたのは富士市民の方が先だったのかも知れない。
荒川製麺の蒸し麺に話を戻そう。富士宮でポピュラーなマルモ食品の麺よりやや太めだが、曽我めんのような角はない。卵黄を崩して納豆と絡めれば、いやがおうでも盛り上がる。フードポルノとはこういうことか。
もちもち麺の歯応えは生パスタのよう。そこにタラコの旨味とプチプチの食感。納豆はクリーミーな口当たりで卵黄と共にコクを増している。富士宮系の麺を使いつつ、肉カスも出し粉もキャベツもあえて使わないという潔さに拍手を送りたい。焼きそばの新たな地平が見えた。
付け合せの味噌汁は玉ねぎとワカメ。寒い日だったので温かいスープが嬉しい。しゃきしゃきの水菜を使ったサラダも美味。期待以上の満足度だった。食後にコーヒー(ランチタイムは200円)をいただいて、ぶしつけながらご夫妻にお話を伺った。
ご主人は富士、奥さんは清水のご出身。静岡県で私と同郷だった。お店はオープンして一年と少しとのこと。ご主人がもともとパスタ屋だったが、厨房の制約があって、地元の麺を使った焼きそばにしたそうだ。なるほど、麺を茹でずに済むというのは焼きそば麺の利点だよな。
さらには富士市のさくらい焼きそばや清水の甘寅など、ローカルな焼きそば話で盛り上がってしまった。いやー、いい店みつけた! ちなみにお店の一番人気はやはりオムソバらしい。今度それも食べに来ようっと!
そして後日再訪。今回はオムそばをいただいた。焼きそば自体は控えめな味付け。ふんわり玉子で覆ってソースとマヨネーズを掛け、刻み海苔をトッピング。こちらもモチモチ麺が印象的。誰もが好むであろう期待通りのオムそばだった。レギュラーメニューには他にも色々なバリエーションが載っていたので、気長に少しずつ攻略しようと思う。
店舗情報 | TEL:03-3357-6338 住所:東京都新宿区荒木町16 エスペロビル 1F 営業時間:11:30~18:00くらい 定休日:土・日・祝日 → ホームページ |
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主なメニュー | ※ランチメニュー<スープ・サラダ付> オムそばプレート 800円(150g) 850円(200g) タラコの月見納豆やきそば 800円 オムレツプレート 800円 |
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