シュハスカリア・キボン 浅草本店
『マツコの知らない世界』を御覧頂いた皆様、ありがとうございました! 普段は月曜の朝に更新していますが、今回は特別に放送終了のタイミングでこの記事を更新しております。番組内で登場したお店は、以下の過去記事で紹介しております(順不同)。
- 東京・野方「SAND/サンド」(アメリカ:チョウメン・サンドイッチ)※4月一杯は提供、その後はお店に要確認
- 東京・新大久保「山西亭」(中国:過油肉刀削麺)
- 東京・日本橋「Bikini PICAR/ビキニ・ピカール」(スペイン:フィデウア)
- 横浜・本牧「MOON Cafe/ムーンカフェ」(ハワイ:ホノルル・チャウメン)
- 東京・飯田橋「贊記茶餐廳/チャンキーチャチャンテン」(香港:星州炒米/シンガポール風焼ビーフン)
- 東京・新高円寺「カフェ・バリチャンプル」(インドネシア:ミーゴレン)
- 東京・木場「和印道」(インド:シェズワン・チキン・ヌードル)
- アメリカ・フォールリバー「Mee Sum Restaurant」(アメリカ:チョウメン・サンドイッチ)
そしてブラジルの”Yakisoba”あるいは”Yakissoba”(現地では”s”を重ねた表記も多い)については、↓こちらのお世話になりました! 語りたいことが多いので長文になっております!
今回紹介するのは、西浅草にあるブラジル料理店、シュハスカリア・キボン 浅草本店だ。アルファベット表記だと”churrascaria Quebom”。ブラジルスタイルの串刺し焼肉=シュラスコが売りで、虎ノ門ヒルズの新虎通りCOREにも出店している。
こちらのシュハスカリア・キボン 浅草本店では『マツコの知らない世界』で紹介された「ブラジル式焼きそば」を、明日4/8(水)からランチタイムのみ、数量限定で提供するそうだ。当ブログの読者のため、このメニューにまつわるちょっとした裏話を明かしておこう。
“世界の焼きそばの世界”の企画を進める中で、制作スタッフから「ブラジルの焼きそばをマツコさんに食べさせたい」という要望をいただいた。世間に広く知ってもらう良い機会なので、私としては願ったり叶ったりなのだが、そこには大きな障壁があった。日本でブラジル式の焼きそばを提供している店がないのだ。
ブラジル出身者が多い地域が全国には点在しており、ブラジル料理店も多い。そういう地域を中心に私も散々探したのだが見つけられなかった。私が2019年に現地まで行ったのも、日本で食べられないからという理由が大きい。さてはて、どうやってブラジル式の焼きそばを再現したものか……
ちなみに私の地元、静岡県西部エリアもブラジル移民が多い地域だ。というか私自身が実家を友達のブラジル人ご夫妻に貸している。「かくかくしかじか、何か手はないか」と彼らに相談したところ、人脈を辿ってこのお店に勤めている日系ブラジル人の岸波ルシアさんに協力していただくことになった。Muito Obrigado!! ありがたやありがたや。そんな経緯で実現したのが今回のブラジル焼きそばなのである。(余談だが「ブラジル移民の父」と呼ばれる平野運平は、静岡県立掛川西高校の第一期卒業生で私の大先輩に当たる)
ブラジル式焼きそばで使われている麺は太めのスパゲッティだ。ルシアさん曰く、現地の焼きそば麺の太さや食感にこれが一番近いそうで、日本でブラジルスタイルの焼きそばを作る際はこれで代用しているそうだ。ちなみに下の写真は私がブラジルで購入した品々。現地ではこういう麺が流通しているが、日本では入手できない。
味付けはブラジル産の「サクラしょうゆ」(Sakura Shoyu)。第二次世界大戦の最中、日本産の醤油の輸入が止まってしまった。日系ブラジル人はブラジルで入手可能な原材料を使い、試行錯誤して再現を試みた。そうして生まれたブラジル産醤油の一つが「サクラしょうゆ」で、南米では広く定着している。ブラジルの焼きそばを特徴づける重要な調味料として、今回特別にお店で仕入れてもらうことになった。
大豆とトウモロコシから製造され、カラメルで黒く着色された「サクラしょうゆ」は、味わいも日本の醤油と微妙に異なる。そして全体的にとろみの付いた餡が絡まった状態で混ぜ炒めされている。ゴマ油が香るしっとり餡をまとったカラフルな具材が、柔らかめのスパゲッティに絶妙な塩梅で絡んで、めっちゃウメーン!
ブラジルの焼きそばはこういった混ぜ炒めタイプだけでなく、あんかけタイプもある。具も味付けも様々で多様性に富んでいる。地球の裏側で独自に進化を遂げているYakissoba文化。その一端をソース焼きそば発祥の地の浅草で体験できる貴重な機会だ。ぜひぜひ、平日ランチで食べてみてほしい。
ところで、だ。
シュハスカリア・キボンは、本来シュラスコの専門店であって、焼きそば店ではない。焼きそばばかりを推してもこのお店自体の魅力が伝えきれないので、看板メニューのシュラスコもガッツリ紹介しておこう。(めっちゃお世話になったお店なので、勝手に宣伝しまくります!)
私が同店を訪問したのは、2月上旬の週末だ。 ご協力いただいたお礼とご挨拶を兼ねて、妻と二人で予約した。節分の頃の18時なので、完全に日は落ちてすっかり暗くなっていた。国際通りのケバブ屋の脇道をかっぱ橋方面に少し進むと、角にブラジル料理を謳う看板が現れた。ブラジル国旗を思わせる緑色に輝いている。
店頭の立て看板でもシュラスコの食べ放題を全面に押し出している。週末はランチでもシュラスコを提供している。ちなみに現地だと「シュハスコ」と発音し、提供する店は「シュハスカリア」と呼ばれる。
お店は地下にある。階段を降りると、『キャプテン翼』の高橋陽一先生のサイン色紙がお出迎え。フロアは広く、ゆとりのあるスペースを保ってテーブルが配置されていた。入店時点では半分くらいの入りだったが、帰る頃には満席に。突き当りには大きなモニターがあり、ブラジルのミュージックビデオが映し出されていた。サッカーの試合を流すこともあるのかな。
そういえば浅草でブラジルというと、浅草サンバカーニバルを思い出す。例年8月下旬の土曜日に開催される一大イベントだ。その運営でもこのお店が活用されたりしているらしい。いつか観に行ってみたい。
シュラスコ食べ放題は2時間制で、一人当たり5,800円。様々な部位が提供されている。牛だけではなく豚・鶏・羊、パイナップルもある。
シュラスコ専用グリル・シュハスケイラ(Churrasqueira)で、じっくりと焼かれた肉。その塊を刺した串を手に、男性スタッフが各テーブルを巡ってくるので、食べたい分量を伝えてカットしてもらえばOK。好みの部位でなければ断ってもよい。
シュラスコにはいろいろな部位があるが、まずランプ(アルカトラ/Alcatra)とイチボ(ピッカーニャ/Picanha)は外せない。ハラミ(フラウジーニャ/Fraldinha)もいいし、鶏ハツ(コラサォン/Coração)も旨い。ああ、好きなだけ肉を食べられる幸せよ。
粗挽きの豚肉を使ったブラジルの生ソーセージ、リングイッサ(Linguiça)も私の好物だ。焼いたパイナップル(Abacaxi/アバカシ)も良い箸休めになる。あ、箸じゃなくてナイフとフォークか。
シュラスコに飲み放題のオプションを付ければ、さらに楽しめる。アルコールなら2時間で2500円。ソフトドリンクのみで良いなら1200円。嫁さんはお酒が飲めないので後者を頼んでいた。
ビールはアサヒのスーパードライ。浅草といえば、やはりアサヒビールは欠かせない。次々運ばれてくる肉たちを、スーパードライならではの爽快な喉越しで胃袋に流し込んでゆく。
カイピリーニャ(Caipirinha)は、ブラジルを代表するカクテルだ。ポルトガル語で「田舎の娘さん」を意味する。サトウキビの蒸留酒「カシャッサ」に、ライム・砂糖・氷を加えてできあがり。口当たりがよいけど、度数が強いので飲み過ぎ注意。
肉だけではなくビュッフェも充実している。特に圧巻なのがサラダビュッフェだ。野菜高騰のこのご時世に、新鮮な野菜がズラッと並んでいる。嫁さんは肉以上にこちらを気に入ったようだ。日本でおなじみの品に混じって、珍しい食材が目に飛び込んでくる。
右はパルミット、左はビーツ。パルミット(Palmit)はヤシの新芽の塩漬け。ブラジルでは一般的な食材で、筍に似た歯ごたえと味わいが特長だ。ビーツ=赤カブは、ベテハーバ(Beterraba)と呼ばれる。
揚げ物も多彩だ。右下は普通のフライドポテトで、右上はマンジョッカ(Mandioca)=キャッサバ芋のフライ。左上はコシーニャ(Coxinha)、左下はポリーニョ・デ・ケージョ(Bolinha de Queijo)。前者は鶏肉、後者はチーズのコロッケだ。
並んでいる品が多すぎて目移りする。あれもこれもとピックアップしているうちに、お皿は満杯。サラダをつまむ間に肉も運ばれてくる。胃袋のキャパがもっと欲しい。さらにビュッフェには続きがある。
「ご飯のお供」も実力派揃いだ。豚肉と豆を煮込んだブラジルの国民食、フェイジョアーダ(Feijoada)。牛肉と野菜の煮込み、カルネ・ジ・パネラ(Carne de Panela)。カルネ・モイーダ(Carne Moida)=挽肉のトマト煮、ボロネーゼ。全部食べたいけど、食べきれない! しかし、せっかくなのでフェイジョアーダを少しだけ……
ケールの炒め物=コウヴェ・ヘフォガーダ (Couve Refogada)を添えて、ファロファ(Farofa)というキャッサバ芋由来の白い粉を、たっぷりかけるのが現地流。サンパウロでも食べた品は、豚モツや豚耳などの部位も入っていた。その濃厚な味わいが癖になる。平日ランチだとお手頃価格でセットが楽しめるので、お近くの方はぜひどうぞ。
ビュッフェはデザートも選び放題。甘いものは別腹というけれど、限りはある。プリンやケーキ、フルーツが並ぶ中から気になる品を紹介しよう。
これはお米のミルク煮。ポルトガル語でアローシュ・ドーシ(Arroz Doce)。甘く味付けされていて、シナモンがかかっている。甘酒のようなおかゆのような味わい。 サンフランシスコのグァテマラ料理店でいただいたアロス・コン・レチェ(Arroz con leche)と似ているが、あっちは飲み物で、こちらは食べ物寄りだ。
カイピリーニャゼリー。緑色が眩しい。子供が好みそうな色合いだが、元々は前述したカクテル、カイピリーニャだ。アルコール入りなのでご注意を。
最後はコーヒーで締め。コーヒーもブラジルと密接に関わっている食文化だ。生産量は世界最大だし消費量も多い。朝食をカフェ・ダ・マーニャ(Café da manhã)=「朝のコーヒー」と呼ぶほど、生活に密着している。
こちらのコーヒーは飲み慣れた日本スタイルだが、ブラジル現地では小さなカップに注がれた濃厚なコーヒーに、砂糖をたっぷり溶かして飲むのが好まれる。カフェジーニョ(Cafezinho)と呼ばれ、食後や休憩など事あるごとに提供される。数年前にブラジルで何度か飲んだその味わいを懐かしみながら、はち切れんばかりに膨れた腹を撫で下ろした。あー、よく食べた。味も量も半端ない満足度だ。
シュハスカリア・キボンの焼きそばやシュラスコをきっかけにして、皆さんにもぜひブラジルの奥深い食文化を体験していただけたら嬉しく思う。ブラジル焼きそばを作ってくださった岸波ルシアさん。多忙な中、全力でサポートしてくださった浅草店長の碇マルセロ精志郎さん。惜しみないご協力を快諾してくださった運営会社の取締役ゼネラルマネージャー、戸島マウロ哲さん。本当にありがとうございました!
| 店舗情報 | 住所: 東京都台東区西浅草2-15-13日光社ビルB1F 営業時間: 17:00~23:00(土日祝日 11:30~15:00 17:00~23:00) 定休日: 月曜 → ホームページ |
|---|---|
| 主なメニュー | シュラスコ食べ放題(2時間制) 5,800円 飲み放題 2,500円 ソフトドリンク 1,200円 |









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