焦がし焼きそば 嬉一

先週に続いて広島遠征の話だが、少し時間を戻して4日間の滞在初日。先日紹介した工場見学の前に1軒、広島市街八丁堀にある店に寄ってみた。屋号は「焦がし焼きそば 嬉一」。日田系焼きそばの焼きそば専門店である。

広島市八丁堀 焦がし焼きそば 嬉一

10月上旬、平日の11時過ぎ。ホテルに荷物を預けてから、みっちゃん総本店・八丁堀本店にほど近い裏通りへとやってきた。渋いファサードの店舗が目的地だ。ちなみに開業したのは2011年4月らしい。こういう業態で5年半続けるって、かなり凄いことだと思う。

店頭の紹介チラシ

店頭には、こちらの店主が想夫恋で修行して広島で開店するまでの経緯が紹介されていた。たしか想夫恋は一人前の焼き手になるまでに3年掛かるという話だったなあ……なんて思いつつ入店。

焦がし焼きそば 嬉一 店内の様子

店舗の間口は狭いが奥に長い造りだ。入り口近いスペースにテーブル2卓。右奥が厨房で、それに面するカウンターが7席。ご夫妻らしき男女2人で切り盛りしていた。開店直後だったが既に先客が1人いる。ちょうど前夜に「秘密のケンミンSHOW」で日田焼きそばが取り上げられたので、この後も混みそうだ。

焦がし焼きそば 嬉一 メニュー

メニューはもちろん焼きそばメイン。想夫恋ではその特徴から「両面焼きそば」と呼んでいるが、こちらでは「焦がし焼きそば」と名付けたようだ。注文したのは焦がし焼きそばの並(700円)と生玉子(70円)。ランチタイムはライスが無料で薦められたが、この後が控えているなのでやめておいた。酒肴も充実しているから夜営業も楽しそうだ。

調理風景、麺の両面をきっちり焼いてます

運よく鉄板の様子が見やすい位置だった。油を引かずに豚肉を焼く。茹で上げた麺を広げ、ここで油を指す。じっくり動かさずにしばらく置いて、麺を90度回転。この手順で「あ、想夫恋だ」と思ってしまった。全体を裏返して、もう片面もじっくり焼く。野菜とソースを加えて、麺をほぐしながら豪快に炒める。ここで麺が千切れないように炒めるのが難しいのだろうなあ。お皿に盛り付けて出来上がり。

焦がし焼きそばの並(700円)と生玉子(70円)

麺はその場で茹で上げた中細の生麺。焦がし焼きそばの名前通り、麺の表面が良い塩梅に焦がしてあって、パキパキした食感が楽しめる。具は厚みのある豚肉とモヤシ、ニラ、青ネギ。トッピングに生玉子。串きりのレモンが添えてあるのは珍しい。紅生姜は卓上から。青海苔はなし。

日田やきそばには生玉子の法則

味付けは甘酸辛のバランス良いソース。店頭の案内によるとあご(トビウオ)も使っているとか。複雑かつさっぱりした味わいで、万人受けするであろう美味しさだ。玉子を崩せばよりマイルドな口当たりになる。

そしてレモン。レモン生産量日本一を誇る広島ならではの工夫だろうか、柑橘類特有の爽やかな風味が彩りを添える。ベジアナ・小谷さんから「広島のレモン農家はお好み焼きにレモンを掛ける」とうかがったが、これって広島でも一般的なのかな?

串きりレモンがこちらのポイント

卓上の一味唐辛子も適量掛けてみた。ぴりっとしたアクセントになって、さらに食欲を刺激する。期待以上に美味しくて一気に食べてしまった。

お会計の際に「美味しかったです」と軽くご挨拶。ご主人は広島だが、奥さんは私と同郷で静岡県出身とのこと。なるほど、セットメニューに黒はんぺんのフライがあって疑問に思ったがそういうわけか。納得。

お好み焼をソウルフードとする広島の地に挑む、孤高の日田系焼きそば。この焼きそばを食べた感想を広島市民に聞いてみたいなあ。あと、夜営業も来てみたいな。

焦がし焼きそば 嬉一

店舗情報TEL: 082-221-0975
住所: 広島県広島市中区八丁堀13-2-1 ギオンボウビル1F
営業時間: 11:00~14:30 18:00~22:00(土曜日~21:00)
定休日: 日曜
ホームページ
主なメニュー焦がし焼きそば
大900円 並700円 小500円

生玉子 70円