あぺたいと

2016年7月8日

「食欲」を意味する店名を自ら名乗る「あぺたいと」は東京を中心に数店舗を展開する焼きそば専門のチェーン店だ。ここの焼きそばは両面焼きそばと呼ばれ、麺の一部がパリパリになるまでじっくり焼かれる。想夫恋で修行した社長が日田焼きそばを発展させたもので、値段は高めだが美味しい焼きそばとして人気だ。

あぺたいと

あぺたいとの本店を訪れたのは昨年3月、平日のお昼時。三田線の新高島平駅で降りるのは初めてだ。店頭には「焼きそば」の他、ラーメン、うどんの幟がはためいており、道路に面してテーブルが2つ置かれていた。店内に入ると右手にカウンターが2列背中合わせに並び、左手にテーブルが2つという客席の構成。この日は空いていて先客は数名のみだった。

店員は厨房に3人、ホールに一人か。厨房に面した側のカウンターに腰掛け、メニューを確認。この店の焼きそばは小・中・大とサイズがあり、ランチやセットなどの組みあわせもできる。大より大きいビッグや、10玉使ったテラ盛というのもあるようだ。今回は両面焼きそばの中・玉子あり(810円)を注文。水、おしぼりはセルフサービスとなっている。

厨房では想夫恋とほぼ同じ手順で調理が行われている。やがて白いお皿に盛られて焼きそば登場。

焼きそば(中)+生卵 810円

麺は中太で硬さは普通だが、しっかりと焼かれてパリパリの部分も多く良いアクセントになっている。生卵を崩して熱々の麺に絡めると、カルボナーラ状の半熟になる。パリパリの麺との緩急が楽しい。卵以外の具はモヤシとネギに豚肉。豚肉は麺と一緒に食べやすいよう、細切りにされたものだ。さすがに完成度が高い。量は中盛りで丁度良いくらいか。

ラーメンには中華料理屋の最安メニューという流れと、味を追求した結果高級化したブランド志向の流れがある。仮に焼きそばにも大衆志向とブランド志向が存在するとしたら、あぺたいとは後者だ。この店と同じように人気焼きそば店には一皿800円以上の店も何割か存在するが、どこも値段に対する満足度を考えるとコストパフォーマンスは悪くない。だからこそファンも増えるのだろう。

あぺたいとは「あなたはまだ本当の焼きそばを知らない!」というキャッチコピーや社長の挑発的な言動が取り上げられがちだ。しかし、丁度一年前のあぺたいとのブログでこんな文章が載っていた。(以下抜粋、改行等を当サイトで微修正)

当店は22年前、現在の地、高島平で開店しましたが当時は焼きそばを店で食べるという習慣が東京ではなかったせいか、来店数も少なく経営も、大変でした。(つぶれる一歩手前でした)
ただ日田の想夫恋で修行した社長は、想夫恋のように「美味しい」焼きそばを作れば必ずお客様が来てくれると信じてやってきました。
そして、とうとう22年の歳月がかかりましたがお客様に味が認められるようになりました。

創業者の味に対して妥協を許さない真摯な姿勢が、自信の表れとなっているのだろう。関東在住で日田やきそばに興味のある方は一度訪れるべし。

あぺたいと 本店高島平店

店舗情報TEL:03-3938-6302
住所:東京都板橋区高島平7-12-8
営業時間:[平日]11:00~14:30 18:00~0:00
[土・日・祝]11:00~15:30 17:00~0:00
定休日:第1・3・5月曜日(祭日は翌火曜日)
ホームページ
主なメニュー単品
小(1玉)    590円 玉子あり 640円
中(1.5玉)   760円 玉子あり 810円
大(2玉)    930円 玉子あり 980円
ビッグ(2.5玉)1100円 玉子あり1150円
その他ランチ、セットなど