玉泉亭
横浜市伊勢佐木町。大岡川の河口の湿地帯が江戸時代に干拓されて吉田新田となり、幕末の開港後には居留地に隣接する歓楽街として栄えた町だ。
昭和43年には青江三奈「伊勢佐木町ブルース」が大ヒットし、その町名は全国に知れ渡った。地元には歌碑が設置され、ボタンを押すと歌が流れる。
その歌碑の裏手に玉泉亭という中華料理店がある。大正7年に創業した超老舗だ。4月下旬、平日の18時前に訪問してみた。
入店前に店頭のショーケースについつい見入ってしまう。どれも美味しそうで魅力的だ。
フロアにはテーブルがいくつか夕食にはまだ早い時間帯だが、何組かのグループがいた。すでに飲んでいるひとり客もいる。
メニューは横浜らしい昔ながらの広東料理が中心だ。名物はモヤシあんかけ中華そばのサンマーメン。汁気のすくないあんかけ麺のバンメンという、横浜以外ではあまり見かけない麺類もある。
玉泉亭のサンマーメンは、自分も2006年の10月に食べたことがある。器から溢れんばかりのボリュームで、歴史を感じる味だった。
とりあえず注文したのは手作りエビ入りシューマイ(600円)と生ビール(中・600円)。あまり飾り気のないシューマイだが、海老の旨味がギュッと詰まっていて、質実剛健という印象。ビールにあう。
そして追加で五目焼きそば(1180円)と瓶ビール(600円)を注文した。五目焼きそばは「ヤワ」「カタ」から「ヤワ」を選択。ビールは「キリン」「サッポロ」から「キリン」を選んだ。
餡は塩味ベースの銀餡だ。五目だけあって具がなかなか豪勢である。豚肉・エビ・カマボコに、白菜・たけのこ・人参・青菜など。さらに錦糸卵と細切りチャーシューがトッピングされている。
焼きそばの麺は茶色い色の深蒸し麺だ。かなり細く、しっかり焼き目が付けられている。餡は甘い味付けを予想していたが、甘くはなく、そこまで塩っぱくもない。深蒸し麺に絡めて食べると、めっちゃウメーン!
この日のお会計は2980円。戦前から営業している広東料理店らしい、昔ながらの五目あんかけ焼きそばで、自分の理想にかなり近い品だった。他の品も他所で見かけない料理が多いから、再訪してあれこれ食べたいな。
店舗情報 | 住所: 神奈川県横浜市中区伊勢佐木町5-127 営業時間: 11:00 - 21:00 定休日: 火曜 |
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主なメニュー | 五目焼きそば(ヤワ・カタ) 1180円 焼きそば(ヤワ・カタ) 900円 手作りエビ入りシューマイ 600円 |
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