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康楽(かんろ)

※長崎皿うどんに興味のある方は、長文コラム『長崎皿うどんの歴史的考察』もぜひご一読ください。


長崎には美味しいものがたくさんある。卓袱料理五島うどん一口餃子梅ヶ枝餅おでんまぜ飯角煮まんじゅう。もちろん海の幸も外せない。特に繁華街・思案橋横丁は特に魅力的な飲食店が軒を連ねていて、目移りしてしまう。

長崎を代表する繁華街、思案橋横丁

この横丁でチャンポン・皿うどんを食べるなら、前回紹介した天天有、もしくは今回取り上げる康楽(かんろ)が筆頭に上がるだろう。康楽(かんろ)は昭和23年(1948年)創業の中華料理店で、チャンポンの味は地元の人にも定評がある。長崎滞在も終盤の金曜日、夜19時過ぎに訪問してみた。

思案橋 中華料理 康楽(かんろ)

フロアはちょっと暗めで丸テーブルが数卓置かれている。入店時は割と空いていたが、あとから続々お客さんが入店し、二階へと案内されていく。この日、注文した品は瓶ビール(アサヒ・スーパードライ)とソボロ皿うどん(1300円)。皿うどんには細麺と太麺があり、細麺を指定した。

康楽(かんろ) メニューの一部

長崎の中華屋メニューで見かけるソボロちゃんぽん・ソボロ皿うどんは、他県の人間にとって謎の料理名だ。「ソボロ」と言っても鶏ひき肉などのソボロ肉が載っているわけではなく「特製」とほぼ同義。豪華な具がトッピングされていることを意味する長崎独特の表現だ。実際、括弧書きで特製皿うどんとも書いてある。郷土料理・浦上そぼろとの関連は不明だが、名前の由来は共通しているかも知れない。

ソボロ皿うどん 1300円

注文から12〜13分で配膳。具は豚肉・鶏肉・紅白はんぺん・エビ・イカ・カキ・キャベツ・モヤシ・フクロタケ・キクラゲ・サヤエンドウ・干ししいたけ・飾り切りした人参・タケノコ。はあ、疲れた。とにかくいろんな食材が使われている。

いろんな食材がてんこ盛り

餡の味付けはそれほど甘くない。本場の皿うどんにしては珍しい。揚げ麺は心持ち太めだ。長崎で食べ歩いた中では一番太いかもしれない。一本一本が短く折っられ、ギュッと詰まった感じに盛り付けられている。そのため全体のボリュームもかなりのものだ。

頃合いを見てソースを掛ける

豪華な具材をつまみに瓶ビールをぐびっと飲み、餡を絡めた揚げ麺をポリポリ食べる。頃合いを見てソースを掛けて味変を楽しむ。なんだかこれが最も正しい一人皿うどんの楽しみ方な気がしてきた。

実は初日にも飲んだ締めにここ康楽(かんろ)でチャンポン(850円)をいただいた。中国地方菜を食べ歩いている愛吃(アイチー)さんから「長崎で一番オススメのちゃんぽん」という情報を得ていたこともあり、最初のうちに食べておきたかったのだ。

ちゃんぽん 830円

麺はかなり柔らか。クタッとした野菜に紅白はんぺんなどのシンプルな具。カキの剥き身が一切れ入っていた。スープは豚骨と鶏ガラのブレンドだが、ちょっと豚骨に偏ってる印象だ。良い塩梅で乳化されていて、味付けはあっさり気味だがコクがある。

スープが滲みた麺が旨い

スープ自体の美味しさに加え、カキの旨味が全体を底上げしていろ。そのスープが滲みた麺が旨い。これが締めに食べられる環境ってのは実に羨ましい。夜23時半まで営業しているので、長崎の夜の締めにぜひどうぞ。

店舗情報TEL: 095-821-0373
住所: 長崎県長崎市本石灰町2-18
営業時間: 18:00~23:30
定休日: 月曜日
主なメニューちゃんぽん 830円
ソボロちゃんぽん(特製ちゃんぽん) 1300円
皿うどん(細麺・太麺) 830円
ソボロ皿うどん(特製皿うどん、細麺・太麺) 1300円