桂町 さっぽろ
11月2日に、福島と米沢を結ぶ東北中央自動車道の栗子トンネルが開通した。全長8972m。高速道路だが無料区間が適用され、無料通行できるトンネルとしては日本一の長さなんだそうだ。
これまで福島から40分掛かった米沢までが、20分で行けるようになった。福島を訪れたのがその直後なので、ここはやはり米沢まで足を延ばすべきだろう。そう考えて、11月の東北訪問2日目は米沢方面にバイクを向けた。あいにくの雨の中で訪問したのは、米沢市街にある「桂町さっぽろ」という人気ラーメン店だ。
地元出身のTwitterのフォロワーさんから、「米沢で焼きそばを食べるなら、まずここへ」と、この店を強く勧められた。米沢にはもう一軒、「お堀端さっぽろ」という系列店もあるのだが、絶対に桂町とのこと。そこまで断言されたら行かざるを得ない。期待も高まる。
客席はテーブルが4卓で2階もあるらしい。土曜の午前11時というのに、既に3卓が埋まっていた。メニューはラーメン(中華そば)のほか、そば・うどん・丼物もあり。噂通り焼きそば(800円)も人気のようで、少なくとも2人は焼きそばを食べていた。後から入って来た一人も、焼きそば大盛りを注文している。
「やきそば、ください」
「はーい」
セルフサービスのお冷を汲んで、ついでに注文を済ませる。5分余りでお盆が運ばれてきた。メインディッシュのソース焼きそば。そしてスープとソースの容器が乗っている。ほほう、ソース後掛けスタイルなのか。
麺は柔らかい細縮れ麺。米沢のラーメンは、こんな感じの多加水の細い手もみ縮れ麺が主流らしい。具はチャーシューの短冊切り、キャベツ、モヤシ、人参。青海苔が一面にたっぷり塗してあり、ちょんと紅生姜がトッピングされている。日本庭園の杉苔を思わせる鮮やかな緑色に一瞬見とれてしまった。
味付けはあっさりしたソース味だが、出汁が効いていてコクがある。後掛けソースも酸味や辛味より、出汁の旨味がメインだ。青海苔の風味ともマッチしている。チャーシューの肉肉しさ、野菜のシャキシャキした歯応えが楽しい。そして何より麺が美味い。この麺だから成立している焼きそばなんだろうなあ。
スープは魚介系の出汁を使った醤油味で、とてもさっぱりした味わいだ。生姜や酸味などは感じず。懐かしいと味と一言で片づけるのは申し訳なくなる奥深さだ。試しに焼きそばを浸して食べたりしてみたが、これはやらなくて良い。
さらに客が入って来たので、食べ終えたらささっとお会計。いやあ、期待以上に美味しい焼きそばだった。
山形市のつり味、天童市の広野屋、余目の文杉系、酒田市の米沢屋など、ソース後掛けスタイルの焼きそばが山形県には多い。常々言っているが、戦後まもない時代はソースを後掛けするのが標準スタイルで、それがこの地にはずっと残っているのだろう。
ラーメン消費量日本一を誇る山形県だが、個性的な焼きそばも数多い。ぜひ焼きそばにも着目して欲しいなあ。
店舗情報 | TEL: 0238-23-0376 住所: 山形県米沢市松が岬3-5-31 営業時間: 11:00~17:00(早じまいあり) 定休日: 不定休 → ホームページ |
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主なメニュー | やきそば 800円 |
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