ホルモン千葉 東京渋谷店

2018年3月24日

【コラム】支那料理屋のヤキソバ考(後編)』はお読みいただけたでしょうか? あの長文で私と同じく読者も疲れたと思うので、今回は写真点数多目(当社比2.5倍)でいきます!


京都の河原町駅・祇園四条駅近くに店を構える人気店、ホルモン千葉。ご存知の方は限られているだろうが、同グループは先斗町「肉なべ千葉」のすぐ近くで「焼きそば千葉」という焼きそば専門店を一時期出していたことがある。残念ながら私は未訪問のまま閉店してしまったが、前々から本店へも行ってみたかった。

ホルモン千葉 東京渋谷店

そのホルモン千葉が一昨年の7月に東京渋谷店をオープンした。フォーリンデブはっしーさんも超お気に入り。行かなきゃ行かなきゃとずっと宿題のままだったが、先日知り合いを誘ってようやく訪問することができた。

ホルモン千葉 東京渋谷店 入口

店はセンター街をまっすぐ行った左側。席はカウンターのみ。今回は3人で訪れたが2人が理想だろう。4人以上はオススメできない。2時間制で予約は必須と思った方が良い。

ホルモン千葉 コース

今回は「千葉のコース(2800円)」をお願いした。前半にコク塩味で五種、後半に黒ダレ味で四種の部位を楽しんでから、うどんまたはそばで締める。

とりあえず生ビールで乾杯

とりあえず生ビールで乾杯。予約特典として枝豆をサービスしていただけた。写真点数が多いので、駆け足で進みます!

豚ナンコツの煮込み 300円

お通しは豚ナンコツの煮込み(300円)。とろっとろ。塩ベースの煮汁が美味い。

特上タン刺し 1680円

単品で注文した特上タン刺し(1680円)。塩と葱を乗せてレモンを垂らす。美味い。とろける。刺しー。

コク塩 5種盛り

そしてコース開始。まずはコク塩、五種盛り。赤(中落)・マルチョウ(小腸)、アブタン(豚舌)、タンコリ(喉)、ツナギ(首)。

特製の鉄鍋

こちらではジンギスカン鍋のように中央が盛り上がった特製の鉄鍋を使う。通常のジンギスカンと異なるのは鍋が四角く、傾斜が掛かっている点だ。傾斜した一番下の角には穴が開いていて、その先にタレの入った器が置かれている。

店員さんが焼いてくれる

まるでキャンパスに絵筆で色を塗っていくように、店員さんがその鍋に各部位を的確に配置してゆく。最初から最後まで焼いてくれるのだが、パフォーマンスとしての完成度も高い。

傾斜の先の黒ダレが旨味をキャッチ

そして傾斜の先のタレが、肉や野菜から出た油を受け止めてくれるのだ。この滴がタレを育てると思うと、一滴ずつ抽出される様子につい見入ってしまう。まるでドモホルンリンクルのCMのように。

お代わり自由の細モヤシ

あと特筆したいのがモヤシだ。広島お好み焼きでも使われる細モヤシと呼ばれるタイプで、東京では入手しにくい貴重なモヤシなのだ。肉汁やタレの絡み方と歯応えが普通のモヤシとは明らかに違う。お代わり自由なのが嬉しい。

これは赤のコク塩のせ

ホルモンも文句なしでウマイ。コク塩と呼ばれるペーストがめっちゃ合う。「肉ってずるいよなー」と思わずつぶやいてしまった。五種盛りで好きなのは赤とマルチョウかなー。あー、どれも捨てがたい。

黒ダレ 四種盛り

後半の黒ダレ四種盛り。アブシン(心臓)、ホホニク(コメカミ)、ホソ(小腸)、アカセン(第四胃)。傾斜先のタレに各部位を何度も漬けて焼きあげてゆく。

これはアブシン

タレと鉄板を往復させるうちにモヤシにタレが垂れてゆく。それがめっちゃうまい。もちろんホルモンも一切れ一切れ、頬張るたびに唸った。個人的にはアカセンが好きだ。

これがアカセン

「京都と言えば赤玉ワインのチューハイも美味いんですよ」
「へー」
「古いお好み焼屋さんだと、だいたいおいてますね(吉野とかふくいとか)」

そんな話を友達にしたら店員さんが「うちにもありますよ、バクダン」と仰って、出してくださった。

バクダン!

ひゃー、まさかあるとは! これっすわ、これ。「赤チューハイ」って覚えていたけど、「バクダン」って呼び方もあるんだなー。初めて飲んだ同席の2人も気に入ってくれた。嬉しいなー。

そしていよいよフィニッシュだ。〆はそば。うどんも良さそうだが、あえてそばを選択した。蒸し麺を鉄鍋で軽く混ぜ炒めた後、あの我々が育てたタレが中央に注がれる。

〆はやきそばで

ちなみに焼きそば用の蒸し麺は、仕入れた麺を自家蒸しにしているそうだ。あまり知られていないが、蒸し麺は蒸した後に油を塗すなど工程が多く、思っている以上にとても手間が掛かる。こういう点でも手を抜かないのが凄い。

豪快に麺とタレを絡めます

そしてここから豪快な焼きそば造り! 麺に味が滲みるように、捻りを加えながらタレを念入りに絡めつつ、フワッとした仕上がりへ。圧巻のパフォーマンスだ。

〆の焼きそばできあがり

最後に青葱と生卵を2個トッピングして出来上がり。あー、もう参った。自分たちが育ててきたタレだけに愛着が沸いている。不味い訳がない。

モチモチの自家蒸し麺

自家蒸しの蒸し麺はモチモチであのタレとの相性抜群。モヤシやキャベツも美味いし、玉子を絡めたり七味で味変したり、どうしたって美味しい。焼きそば千葉も行ってみたかったなー。

最後にデザートも

最後にデザートと幹事としてお電話代までいただいてしまった。まさに京都ならではのおもてなしだ。ホルモンもそうだが、一つ一つの仕事の丁寧さがとても印象的だ。神は細部に宿る、って言葉を思い出す。

お酒をガブガブお代わりして単品も頼んで、お会計は1人約6000円。今度はうどんで締めたい。さてさて、誰を誘って行こうかな。

ホルモン千葉 東京渋谷店

店舗情報TEL: 03-3485-3257
住所: 東京都渋谷区宇田川町37-12
営業時間: 17:00~23:00
定休日: 無休
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主なメニュー千葉のコース 2800円
特上タン刺し 1680円