なぐら
静岡県西部地域の焼きそば特集も今週で締めとなります。取りを飾るのは中遠ニンニク系(仮称)の3軒でござい!
このブログでも何度か紹介している焼きそば好きの講釈師、神田鯉風先生。実は先生も遠州に縁のある方で、以前一緒に呑んだ折に「中遠地域にニンニクパウダーを使う焼きそばが何故か多い」ことが話題に上った。その一つとして教えていただいたのが今回紹介する磐田のなぐら。太田川右岸、東海道からちょっと南に折れた場所にある。
訪れたのは1月上旬、平日のお昼時。看板も暖簾も真っ赤で目立つ外観だ。テーブル4卓に小上がり2卓、カウンターも3席ほどある。先客は一人だけだったが後から入れ替わり立ち代り客がやってきた。親子だろうか、店員はおばちゃんとおばあちゃんの女性二人。
「持ち帰りかね?」
「いえ食べて行きます」
メニューは焼きそば・お好み焼のほか、定食・丼物もある。焼きそばとお好み焼の定食もあるのか。先客はその焼きそば定食だった。この地域では珍しい。
「焼きそばの上(卵・肉入、430円)をください」
「ご飯はいいだね? 定食にしんくて?(しなくても?)」
「ええ、焼きそばだけでいいです」
出されたお冷を飲みつつ待つ。奥にある厨房から炒める音が聞こえて来た。5分ほど経って「お待ちどうさまー」と皿が運ばれて来た。
麺は柔らかい細麺。キャベツと肉が一緒に炒められ、卵は綴じるような按配で巻かれている。東京の花の家や大釜本店で食べたスタイルに似ている。そして味付けはソースとニンニクパウダー。これがなかなか刺激的で癖になる味わいなのだ。
トッピングに青海苔が振り掛けられ、紅生姜が脇に……あれ、この辺では定番の鰹節が無い。もしかしたらニンニクに合わないのかな。キャベツが焦げ焦げだが、これもわざとなのだろう。うーん、食べるほどに何とも個性的な焼きそばだ。
ちなみにここのお好み焼は浜松や他の磐田で食べた品と同じく沢庵入りらしい。遠州焼にしろ、掛川風のおでんにしろ、ニンニク風味の焼きそばにしろ、遠州の食文化の区分けは地元でも分かりにくい。静岡新聞あたりが整理してくれないかなあ。
店舗情報 | TEL:0538-32-6656 住所:静岡県磐田市三ケ野756-3 営業時間:11:00~15:00 定休日:日曜、第2・4土曜 |
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主なメニュー | 焼きそば 350円 大盛 400円 焼きそば上 430円 大盛 480円 お好み焼き 430円 大 480円 |
ディスカッション
コメント一覧
実は私、なぐらの娘です。
今は嫁いで別のところに住んでいます。
亡くなった父親が考えた味を母が継承しています。
高齢の母はパートさんや常連さんに助けられながら、なんとかお店を続けています。
またどうぞ、お店にいらしてください。
変わらぬ味でお待ちしております。
ぽんたさん、コメントありがとうございます!
なぐらさんの娘さんに直接コメントいただけて恐縮です!
私が訪問したときの女性お二人は、お母様とパートさんだったんですね。
ガーリックパウダーが印象的な、とても美味しい焼きそばだったことを思い出します。
実家の掛川に戻る際は、ぜひ足を伸ばしてまた寄らせていただきます!
早々にお返事いただき、ありがとうございました。
母が高齢で、お店の存続についてあれこれ考えて眠れずにおりました。
真夜中、ネットで貴殿のブログにたどりつきました。
あの焼きそばをこのように紹介してくださるような方がいるということで、元気がでました。
本当にうれしかったです。
ぽんたさん、お返事ありがとうございます。
「母が高齢で、お店の存続について……」とのこと、とてもよく分かります。
私の好きなお店の数多くが同様の理由で暖簾を下ろしてまして。
1ファンとしては続けて欲しいのですが、お母さまも大変でしょうから悩ましいですよね。
実家の掛川になかなか帰ることもできないので、ネットごしになってしまいますが、これからも陰ながら応援させていただきます。