蘭芳園
香港5日めは前回紹介した金峰靚靚粥麵で朝食を取ったあと、香港中央圖書館を覗いてからビクトリアピークで眺望を楽しんだ。
ついでに1920年に創業した麥奀雲吞麵世家という、雲呑麺の老舗の支店で「銀絲細麵」と雲呑をいただいた。
「銀絲細麺」は明治時代の横浜南京町で看板に掲げられていた料理名だ。おそらく単なる中華そばを美辞麗句で表現したものだろう。
この店では具なしのスープ麺を指していた。それを実食して確かめることも今回の香港遠征の目的の一つだった。
ビクトリアピークから下山した後は、孫中山記念館へ寄ってみたが休館日で振られてしまった。暑いうえに、香港島は急な坂道がめちゃめちゃ多く、歩き回ると疲れてしまう。中環駅へ向かう途中、休憩がてら立ち寄ったのが蘭芳園だ。
中環で1952年に創業した蘭芳園は、香港独特のカフェ業態・茶餐廳の草分け的な存在らしい。訪問したのは14時半くらい。外売ブースの脇から店内へ入ることができる。
大人気の店なのでほぼ満席だったが、店員さんに一人と告げるとすぐに席へ案内してくれた。もちろん相席だ。
店内はゴチャゴチャしているが清潔感がある。メニューの価格帯も安い。なるほど、人気になるわけだなあ。
小腹が空いたので、ドリンクの他に撈丁も頼むことにした。注文したのは叉燒雙蛋撈丁と凍絲襪奶茶。セット料金が64HKD。飲み物をアイスにしたので3HKD割増で67HKDだ。
すぐに凍絲襪奶茶(香港式アイスミルクティー)が運ばれてきた。この店はミルクティーが一番の名物で、ミルクは練乳を使い、とても丁寧に煎れているそうだ。なめらかで美味しい。
続いて叉燒雙蛋撈丁が配膳された。「撈丁」の「丁」は日清食品のインスタント麺「出前一丁」のこと。香港では「一丁」(ヤッテン)と呼ばれ、通常のインスタント麺(公仔麺)とは別格に扱われている。「撈」は混ぜること。つまり「撈丁」は出前一丁のあえ麺だ。
「叉燒」はチャーシュー、「雙蛋」は玉子ふたつを使った目玉焼きで、「叉燒雙蛋撈丁」は「チャーシュー目玉焼きのせ出前一丁あえ麺」を指す。炒めた「炒丁」を置いている店も多いが、蘭芳園は「撈丁」のみ。焼きそばではないけど、香港の食文化を紹介する意味で、今回は例外的に取り上げることにした。
掛かっているタレがほどよい甘さと塩っぱさで旨味もあって、絶妙な味わいだ。揚げ気味に焼いた目玉焼きと食べごたえのあるチャーシューもすごく合う。インスタントとは思えない完成度と満足感で、めっちゃウメーン!
お会計を済ませて帰る際、入り口の脇に出前一丁の箱が山積みになっているのが目に入った。こんなに大量に消費されるんだなあ。他にもフレンチトーストとかカツサンドとかスパゲティとか、魅力的なメニューが沢山あった。いつか再訪できたらいいなあ。
店舗情報 | 住所: 香港中環結志街2號 営業時間: 10:00~22:00 定休日: 日曜日、旧正月3日間 |
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主なメニュー | 撈丁セット 64HKD |
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