三幸苑 野毛店
野毛の大衆中華料理店・三幸苑は2012年に当ブログでも紹介した。あれから10年と思うと感慨深い。1964年(昭和39年)創業の人気店だったが、社長が高齢のため2016年12月末に惜しまれつつ閉店した。
そしてわずか1ヶ月あまり後。2017年2月に、少し離れた野毛坂で元従業員のご家族が、後継店をオープンした。それが今回紹介する三幸苑 野毛店である。
訪問したのは2月下旬の土曜の夜。移転後はずっと機会を狙っていたし、このすぐ近所にある横浜市中央図書館へ何度もきたのだが、他の店を優先したりして5年も掛かってしまった。念願かなって嬉しい。
提供するメニューは元の店ほぼそのまま。たんめんも、ちゃーめんも、ぎょうざも全て健在だ。
この日は家人と二人で来店した。夜は8時40分くらいで、8割ほどの入り。厨房近くのテーブルに腰掛けて、自分はとりあえず生ビール(520円)。キンと冷えたやつで喉を潤す。
二人なのであれこれ頼んでみた。ぎょうざ(520円)はカリッと焼かれて、見るからにうまそうな焦げ具合だ。ニンニクが効いていてビールがガンガン進む味である。
連れはラーメン(710円)を頼んでいた。三幸苑はたんめんが名物だが、ラーメンも旨いなあ。ネギがたっぷり浮いていて、シンプルながらも完成度が高い。「こういうやつ」ね。
レモンサワー(460円)は甘くないやつ。週末の昼間は、競馬中継を眺めながらこいつを舐めている先輩方で溢れているんだろうなあ。
そしてお待ちかねのちゃーめん(830円)。調理の段階から、ニンニクの香りが漂ってくる。運ばれてきたのは見覚えのあるウェットな焼きそばだ。もっちりした太麺と肉・ニラ・モヤシに、すりおろしたニンニクが「これでもか」という量でまとわりついている。
一口頬張ると、ザラッとした舌触りと同時に、強烈なニンニクの風味が口中に広がった。10年前に食べた味、そのままだ。うーん、これはやはり癖になる。横浜には個性的な焼きそばが数多くあるが、この三幸苑のちゃーめんは五指に入る逸品だと思う。唯一無二の味を受け継いでくれて、本当に嬉しい。
もう少し入りそうだったので、ちゃーはん(870円)を最後に注文。しっとりしたタイプで、味濃い目。これまたビールのあてになりそうな炒飯だった。
すっかり満腹でお会計。長年親しまれてきた味が、こうやって次の時代に引き継がれるのは貴重な成功例だ。ただ、さらに次世代へと引き継ぐには、ビジネス的な魅力がないと難しいと思う。
こういった大衆的な外食文化が正当に評価され、提供する側が安定して利益を上げられるような構造になって欲しいなあ。
店舗情報 | 住所: 神奈川県横浜市中区野毛町3-135 中屋ビル 1F 営業時間: 平日10:30~15:00, 17:00~22:00 土日: 10:30~22:00 定休日: 月曜(祝日も休業) |
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主なメニュー | ちゃーめん 830円 |
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