CLARK JACK PARLOR
8月中旬の土曜日。ランチタイムに三軒茶屋へやってきたのだが、目当ての店が軒並み夏期休業だった。お盆の時期だから当然といえば当然なのだが、さて困った。時刻は午後1時半だ。
界隈をうろうろ歩くうちに見つけたのが、CLARK JAK PARLORというスタイリッシュな店。シンガポール料理店で、店頭のメニューには海南鶏飯やラクサの文字が見える。空腹も限界だったので、ここに決めた。
店内は落ち着いた雰囲気で、4人掛けのテーブルが5卓、2人掛けが1卓あった。先客は二組。手近な席に腰掛けてメニューを確認する。
注文したのはブラック・ホッケンミー(1100円)。漢字表記は「黒福建麺」で、「シンガポールの焼きそば」と説明されている。
「無料でジャスミンライスもお付けできますが」
「ほう、それじゃ、お願いします」
ホッケンミーには鶏スープも付くとのことで、先に出された。厨房から中華鍋で炒める音が聞こえてきた。ニンニク、生姜の香りが客席まで届く。
「お待たせしました」
しばらくして、四角く深みのある器に盛られたホッケンミーと、小ぶりの茶碗に盛り付けられたジャスミンライスが運ばれてきた。ん? これって、焼きそば定食じゃん!
麺は日本のつけ麺で使われているタイプの極太麺だ。恐らく生麺を茹でてから水洗いして使っているのだろう。具は豚肉、エビ、イカ。キャベツ、小松菜。
味付けはダークソイソースでつゆだく気味だが、予想よりもあっさりしている。ダークソイソースの代りに日本の濃厚ソースを使ったなら、そのまんまシーフード焼きそばとして通用するだろう。
以前、恵比寿の新東記で食べたシンガポールスタイルのホッケンミーは、米麺と玉子麺を豚骨とエビの出汁で炒め煮した、白さが特徴的な麺料理だった。一方、今回のブラックホッケンミーは、ダークソイソースを使って味付けしているので色黒だ。
ただ同じ色黒でも、荻窪・馬来風光美食で食べたクアラルンプール式ほどの濃密さはない。炒め煮に使われている出汁、具の海鮮の旨味、ニンニクが味わいの主体だ。癖の強いハーブやスパイスは使われていないので、刺激を期待するエスニック好きはちょっと拍子抜けするかも知れない。
ジャスミンライスは、海南鶏飯で使われているご飯と同じ品らしく、チキンスープの風味を感じた。麺を乗せると、そのまんま焼きそば定食だな。鶏スープはあっさりしてるが、コクがある。
お会計は1100円。たまたま通りがかりに入った店だが、シンガポール式の焼きそば定食に出会えたのは僥倖だった。目当ての店が閉まっていたのは残念だが、こうして初見の店に飛び込むのも、食べ歩きの醍醐味なんだよな。
店舗情報 | 住所: 東京都世田谷区太子堂4-27-5 1F 営業時間:【月〜金】11:30~15:00, 18:00~23:00 【土・日・祝日】11:30~15:00, 17:30~23:00 定休日: 木曜(祝日の場合は営業) → ホームページ |
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主なメニュー | ブラック・ホッケンミー 1100円 |
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