京華園
※長崎皿うどんに興味のある方は、長文コラム『長崎皿うどんの歴史的考察』もぜひご一読ください。
長崎は修学旅行先としても人気のエリアだ。鎖国時代から明治維新に掛けて、海外との窓口だった史跡が町中に数多く残る。また原爆に関連した平和教育の側面もある。滞在中、路面電車で修学旅行生の団体と何度も乗り合わせた。
中華街での食事は彼ら共通の大きな楽しみらしい。この日ランチに訪れた新地中華街も大賑わい。玄武門のすぐ脇に店を構える京華園でも、修学旅行生のグループがそこかしこのテーブルで料理を前に談笑していた。
京華園は前々回に紹介した会楽園の真向かいにある。専務・劉済文氏のインタビューによれば、昭和19年に創業し、昭和26年にいまの場所へ移転したそうだ。この日は平日にも関わらず広いフロアはほぼ満席。かろうじて1卓だけ空いていたテーブルに着席できた。
落ち着いたところでメニューを確認。皿うどんの「炒麺」という漢字表記は四海楼から数えて、ようやく2軒目だ。普通の皿うどん(850円)の隣、特製皿うどん(1600円)の写真の小さめのアワビ(トコブシか?)が美味しそうだ。ノーマルばかりじゃつまらないし、と今回は特製皿うどんを注文。麺は細麺を指定した。
5分ほどで見るからに豪勢な皿が運ばれてきた。見慣れた皿うどんにいろんな具がトッピングされている。テンションがあがってきたぞ。
餡の具は豚肉・紅白はんぺん・竹輪・イカ・アサリ・キャベツ・モヤシ・筍・キクラゲ・玉ねぎ・ササゲ。盛り付けられている具は小さなアワビ、肉団子、貝柱、有頭エビ。そして錦糸玉子。豪華絢爛、盛り沢山だ。
特製だからかも知れないが餡の味付けはそれほど甘くない。豚骨と鶏ガラのブレンド出汁に魚介の風味が加わって濃厚な味わいだ。小さなアワビ(トコブシ)は旨味の塊。エビは酒蒸しにしてあるのか、殻まで柔らかい。錦糸玉子が飾ってるあたりは、東京の老舗の五目焼きそば(揚州炒麺)を彷彿とさせる。
麺は細麺。先のインタビューによると、「以前は今よりも太かった」「長崎全体で見ればやや太め」とのことだが、十二分に細い。もちろんソースも掛けてみた。スパイスや酸味が加わって、味わいの複雑さが増す。
最後の方は餡の粘り気が消えてさらさらになったが、麺は割と硬いままパリパリ感が残っていた。ちょっと不思議だ。さすがに満足度満点の一皿だった。
劉済文氏は「1日経った皿うどんを温め直しても実は美味しい」ともインタビューで語っている。長崎の人は出前で取った皿うどんが余ると、そのように温め直して食べるそうだ。特製皿うどんも美味しかったが、いつかその「二日目の皿うどん」も食べてみたい。
店舗情報 | TEL: 095-821-1507 住所: 長崎県長崎市新地町9-7 営業時間: 11:00~15:30 17:00~20:30 定休日: 不定休 → ホームページ |
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主なメニュー | ちゃんぽん 850円 皿うどん(細・太) 850円 特製ちゃんぽん 1600円 特製皿うどん(細・太) 1600円 |
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