つくも
あんかけ焼きそばをしばらく紹介してきたが、そこから皿うどんへと流れを変えよう。ほとんどの人は知ってると思うが念のために説明すると、皿うどんとは長崎発祥のあんかけ焼きそばである。極細の揚げ麺に具沢山の餡が掛かったものが基本形で、ちゃんぽんとともに長崎名物として有名な麺料理だ。太麺の皿うどんもあるのだが、その辺については次回以降で紹介したい。
さて、今回の店。
原宿駅から表参道を東へ歩き、明治通りを右折して100mほど歩くと、右手に「つくも」という店がある。ラフォーレ原宿だの表参道ヒルズだのが近所にあるとは思えない、狭い狭い間口の鄙びた店だ。
営業時間は平日のランチタイムのみ。売り物はちゃんぽんと皿うどんのみ。客席はカウンター8席のみ。のみのみのみだらけなのだが、これが美味いと評判なのだ。私にとっては完全アウェイの土地だが意を決して訪れてみた。
正午直前に到着すると外に二人並んでいた。ちゃんぽんも皿うどんも熱くて量があるメニューなので客の回転は良くなさそうだ。10分余り待って入店。カウンターの中の店主からお冷やを受け取って皿うどん800円を注文した。周りの客はちゃんぽんが7割、皿うどんが3割くらいか。
中華鍋でガシガシと具を炒め、味を整えトロミをつけてはい出来上がり。ちゃんぽんに比べると麺の茹で時間の分、出てくるのが早い。サービスのゆかり御飯と一緒にいただこう。
麺は「これぞ長崎皿うどん!」といった感じのパリパリに揚げられた極細麺。色は白っぽい。餡は粘度高めであっさりした味付けだ。具はキャベツ、モヤシ、人参、長ネギ、キクラゲ、豚肉、イカ、カマボコ、薩摩揚げスライス。麺に比べて餡の量が多いが、味付けが薄めなのでバランス的には丁度良い。
卓上にはウスターソース・酢・白コショウ・練りカラシが置かれている。東京では酢とカラシを使う人が多いが、本場長崎ではソースを掛けるのが一般的だそうだ。試しにウスターソースを掛けてみるとソース焼きそば風に風味が変わって最後まで飽きずに食べられた。ゆかり御飯も美味しくてすっかり満腹である。
よくもまあこんな場所にこんな店が、とそれだけで感心してしまうお店である。原宿近辺で平日ランチに悩んだときに、一度試してみてはいかがだろう。
店舗情報 | 住所:東京都渋谷区神宮前6-29-5 営業時間:11:30~13:30 定休日:土曜・日曜・祝日 |
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主なメニュー | ちゃんぽん 800円 大盛 900円 皿うどん 800円 大盛 980円 |
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