喜楽
道玄坂の百軒店にある老舗中華屋・喜楽。創業は昭和27年(1952年)で初代店主は台湾出身だとか。もやし麺が人気で、漫画『孤独のグルメ』でも井之頭五郎が行列をみて諦めた店として登場した。
そのエピソードでは「大芽園」(作品中では「太河苑」)の焼きそばが取り上げられていたが、実は喜楽の焼きそば=炒麺も密かにオススメしたい逸品なのだ。ちなみに「大芽園」はすでに廃業して久しい。一度食べてみたかった。
喜楽を訪問したのは昨年12月上旬、午後2時近くのこと。ピークタイムを外したのに10人ほどの行列ができていた。来るのはこれで2度目なのだが、周りの風俗街の雰囲気がどうも落ち着かない。
10分弱待って入店。1階のカウンターに着席。メニューは麺類が中心だ。周りはやっぱりもやしそばを食べている客が多い。遅い昼食でお腹がかなり空いていたので炒麺(850円)と焼餃子(500円)を注文した。
カウンターの向こう側では注文された品々が次々できあがっていく。麺の茹で上げ、スープの準備、中華鍋での炒めものに餃子の焼きと、分業でテキパキこなす様はみていて爽快だ。
先客の注文分に続いて10分少々で配膳された。炒麺に焼餃子、そして付け合せのスープ。旨そうだ。このビジュアルで否応なくテンションがあがる。
麺は中太の茹で麺。もちもち、しこしこした歯応え。具はモヤシ、人参、ニラ、とわずかな豚肉。「野菜炒めに麺が入ってる」という説明がしっくりなじむスタイルの中華焼きそばだ。
味付けは塩ベースだが、旨味で食べさせる印象を受けた。しっとりした仕上がりで、この店の名物・焦がしネギの風味もよい。シンプルで食べ飽きない、老舗中華ならではの落ち着いた味わいの焼きそばだ。
焼餃子はわりと大粒だ。焼き加減は程よい狐色。餡は野菜が主体。皮は厚からず薄からず。リズミカルな襞が食感にアクセントを加えている。両端の綴じが緩めなのが、いかにも本場っぽい。食べごたえも十分で美味しかった。
お会計は1350円。食べ終わる頃になってもお客さんがひっきりなし。渋谷という若者の街でも、色あせることのない老舗の味か。いつか人気のもやしそばを食べてみたいなあ。
店舗情報 | TEL:03-3461-2032 住所:東京都渋谷区道玄坂2-17-6 営業時間:11:30~20:30 定休日:水曜 |
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主なメニュー | 炒麺 850円 焼餃子 500円 中華麺(ラーメン) 700円 もやし麺 800円 もやしワンタン麺 950円 |
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