桃園
有楽町駅の目の前にある東京交通会館。地方のアンテナショップや以前紹介したおかめなど個性的な飲食店が揃っていて、なかなか楽しめるスポットだ。
この地下に桃園(とうえん)という長崎チャンポンの老舗がある。創業は昭和25年で「すし屋横町」に店を構えていたが、昭和40年の交通会館開業と同時に現在の店舗に移転したそうだ。この店も都内の長崎ちゃんぽん・皿うどんを語る上では外せまい。
訪れたのは9月中旬、土曜の昼前。東京交通会館・地下一階の奥まった場所に店舗がある。店頭のガラスケースは如何にも時代を感じさせて良い雰囲気だ。
入店するとすぐ左にあるレジのおばちゃんが「先にこちらでご注文をお願いします」とのこと。なるほど、前払いの食券制か。
「皿うどん(900円)を一つ」
「うちの皿うどんは太麺を炒めたものですが、よろしいですか?」
「ほう?」
「カリカリの揚げ麺は焼きそば(850円)になりますが」
「なるほど、じゃ焼きそばの方にします」
以前紹介した長崎ちゃんぽんの元祖・四海楼を思い出す。あそこも皿うどんは太麺、カリカリ麺は「炒麺」と表記されていた。皿うどんの呼び方の変遷は、宮崎や鹿児島のあんかけ焼きそば文化にも影響していると個人的に睨んでいるので、大いに興味深い。
食券を持ってカウンターに着席。スタッフは厨房に4人、ホールに2人。店主らしき白髪の男性が大きな中華鍋を振るっている。先客10人くらいで、全員がちゃんぽんを食べていた。
皿うどん……もとい、焼きそばは10分ほどで配膳された。麺は中太のカリカリ揚げ麺。麺自体が味付けされているのか、塩っぱく感じる。
餡はちゃんぽんのスープがベースであろう銀餡。具は鶏肉、キャベツ、モヤシ、人参、ニラ、椎茸。さらにイカボール、チャーシュー、蒲鉾、さつま揚げなど盛り沢山。アサリも一粒入っていた。天辺には錦糸玉子もトッピングされている。
具がバラエティに富んでいて食べ応えあり。麺が太いこともあってか、食べ進めても麺は比較的硬いままだった。個人的には水分を吸って軟らかくなるのが好みなのだが、まあその辺は人それぞれだろう。ちなみに卓上にソースは置いてない。
メニューの札の色も違うし、もしかしたらこの焼きそばは後から追加されたメニューかも知れない。周りのちゃんぽんの極太麺がとても美味しそうだったので、いつか太麺の皿うどんも食べてみたい。近々再訪しなきゃだなあ。
店舗情報 | TEL:03-3214-9048 住所:東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館 B1F 営業時間:11:20~20:10 定休日:日曜・祝日 |
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主なメニュー | チャンポン 800円 皿うどん 900円 焼きそば 850円 |
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