一力

2014年3月23日

先々週に中国地方のホルモンうどんを3軒ほど紹介しましたが、焼肉やホルモンの味とうどん玉はどうも相性が宜しいようで、近畿エリアにもそっち系の美味しい焼きうどんが沢山ございます。(そういえば亀山みそ焼きうどんもそっち系ですね)


出雲街道で津山と結ばれている兵庫県の佐用町でもホルモン焼きうどんが昔から食べられてきた。どこが元祖というわけでなく、畜産・精肉が盛んだったこの地域一帯で自然発生的に普及してきたようだ。ちなみに他の市町村同様、佐用町でもホルモンうどんでの町おこしに以前から力を入れていたのだが、昨年のグランプリを人員不足で欠場し、今年6月にB-1会員の資格を辞退したらしい(参考記事)。ま、無理はしないに限りますな。

さて、今回訪れたのは一力という昭和26年創業の老舗。頃は9月中旬、平日の夕方。実はこの店への訪問はこれで3度目なのだ。

佐用町 一力

最初に来た2011年4月時点では佐用川の川岸に店舗があったのだが、2009年の水害を機に河岸の整備が進められて立ち退きを求められ、現在の国道沿いの店舗に引越したそうだ。その前は商店街にあったと言っていたから店の変遷がなかなか激しい。ちなみに2度目の訪問は今年5月だったが、あいにく不定休日に当たってしまった。

暖簾を潜って真新しい店舗内へ。2枚の鉄板が並べられ、それを囲むようコの字型に横長の腰掛けが置かれていた。定員は8名くらいか。平日の夕方、先客は無し。鉄板の微妙な歪み具合は以前のままだ。正面に腰掛けると「いらっしゃいませ」と店主のおばちゃんが冷たいお茶を出してくれた。

一力 メニュー

壁のメニューを確認。この店はホルモンなどの肉類とうどんの玉数をそれぞれ好みで注文する形式だ。前回来た時はホルモンが530円だったのだが微妙に値上がりしている。引っ越したせいというよりは、B級グルメブームでホルモンが品薄になったのが原因かも知れない。とりあえず基本の一人前とされているホルモン600円とうどん2玉(130円x2)を注文した。

まずキャベツとねぎ、ホルモンを鉄板で炒めます

醤油ダレで下味が付けられたホルモンを熱せられた鉄板に置き、大ぶりに刻んだキャベツと青葱も乗せる。両手の小手で混ぜ炒め、火がある程度通ったところでうどん玉を投入。水で解しつつ炒め、さらにタレで味を調えて出来上がり。近くに寄せて、付けダレの皿を渡してくれた。

ホルモン600円+うどん130円x2玉

麺は太めの平打ちうどん玉。腰があって味も良く滲みている。ホルモンは牛ホルモン、いわゆるシマチョウやテッチャン、それにセンマイが入っていた。プリプリの脂分やコリコリの歯応えなど、部位に応じた味わいが堪らない。

ホルモンの旨味がうどんに滲みてます

焼うどん自体の味付けは比較的マイルドだが、味噌と胡麻の入った付けダレはピリ辛でパンチが効いている。ホルモンと野菜から出た旨味成分を余すところ無くうどんが受け止めていて文句なく美味い。ビールが飲みたくなって困った。

食べ終わってからもおばちゃんと何のかんのおしゃべり。お会計は860円也。場所柄、なにかのついでというのも難しいが、機会があればまた来たいなあ。

一力

店舗情報TEL:0790-82-2239
住所:兵庫県佐用郡佐用町佐用1444
営業時間:11:00~20:00
定休日:不定休
主なメニューホルモン、ミノ、キモ、シンゾウ 600円
ブタ 500円 うどん 130円