味坊
神田のガード下にある味坊は中国東北料理の専門店だ。現地の味をそのまま再現した独特な料理を提供しているだけでなく、ビオワインも充実しているという人気店である。
6月上旬、平日の夜9時近くに訪問。店舗は左右に分かれていて、2階もあるが大混雑。ほぼ満席のところ、相席で辛うじて座れた。あとから客が次々とやってきたがどれも断るほどの盛況ぶり。それにしても女子会と相席で一人飲みって妙な緊張感があるね……。
まずは生ビール(500円)と名物の羊肉串・5本セット(1000円)に干豆腐の冷菜(800円)を注文。ビールはプレミアム・モルツの樽生。料理が来る前に飲み干してしまったのでレモンサワー(380円)を追加注文。
10分ほどで料理も運ばれてきた。待ちかねたとばかりに熱々の羊肉串に被りつく。クミンシードが効かせてあってなかなかスパイシー。ラムもマトンも好きなので嬉しい。酒が進む。レモンサワーをお代わり。
干し豆腐の冷菜はパクチーとネギがたっぷり使われたあっさり風味。店員のおばちゃんはサラダと呼んでいた。帯状の干し豆腐は歯応えあり。面白い食感だ。飲み物はウーロンハイ(380円)へ移行。
厨房には男性もいるのだろうが、オーダーや配膳、調理の一部は中国人のおばちゃんたちで切り盛りしている。このおばちゃんたちたちが物凄く元気でエネルギッシュなのだ。賑やか過ぎて煩く感じる人もいるかも知れないが、自分はとても好きな雰囲気である。良い店だ。
そして最後の締めに注文したのは今日の目的の品、炒餅(チャオピン・980円)。日本語表記はシンプルに「平打ち麺炒め」となっている。ついでにウーロンハイもお代わり。
中国の「餅(ピン)」は小麦粉を練った生地に油をなじませ、薄く延ばして焼いたものを指す。屋台料理の焼餅(シャオピン)は知っている方も多いだろう。日本の「餅(モチ)」とは米と小麦粉という原材料の違いがある。その「餅(ピン)」を短冊状に切って麺の代わりに使った焼きそば的な料理が「炒餅」なのだ。
ちょうど厨房を背にした席なので、首を伸ばして調理の様子を覗き見してみた。この店では焼くのに四角い餃子鍋を使っていた。小麦粉の生地をシート状に焼き上げ、それをまな板に乗せ大きな刃物でザクザクと一定の幅で刻んでゆく。なかなか豪快な絵面に感心してしまう。
運ばれて来た皿を見て、最初に広東料理の炒河粉を思い出した。米と小麦、蒸す・焼くという違いはあるが、麺の製法も河粉(ホーフェン)の作り方に近い気がする。ただし味わいは大きく異なる。
メニューに平打ち麺と書かれている「餅」は、文字通りモチモチした弾力がある。かなりの歯応えで食べているうちに顎が疲れてきた。これまで食べたことのない食感で面白い。中国本土の「麺」のバリエーションには驚かされてばかりだ。
具は細く切ったチャーシュー・キャベツ・モヤシ・ニンニクの芽・パプリカなど。味付けは塩コショウベースで醤油も少々か。やや塩っぱ目で脂っ濃いが、基本は飲み屋なのでツマミとしての味付けなのだろう。酒にはぴったりで自分の好みだった。
1時間半ほどの滞在でお会計は4,944円。食べた飲んだ。満腹満腹。一人飲みで5000円近く使うという豪遊をしてしまったけど、これは人気になるのも分かる。他のメニューも気になったのでまた訪れたい。
店舗情報 | TEL:03-5296-3386 住所:東京都千代田区鍛冶町2-11-20 1F・2F 営業時間:11:00~14:30, 17:00~23:00 定休日:日曜・祝日 |
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主なメニュー | 炒餅(平打ち麺炒め) 980円 羊肉串 5本 1000円 10本 1600円 干し豆腐の冷菜 800円 |
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