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大石

2017年6月10日

静岡県の焼きそばと言えば富士宮が有名ですけど、それだけではありません。県内の西から東まで、駄菓子屋文化や特有のローカル食とともに、様々な焼きそばがございます。というわけで今回から静岡県西部の焼きそばを特集いたします。私の出身地ということもありまして、帰省するたびにこまめに食べ歩いてまいりました。まずは県西の中核都市、浜松から。


遠州焼と呼ばれるお好み焼きをご存知だろうか? 主に浜松から磐田に掛けて、静岡県西部で昔から食べられてきた品で、二つ折りにしたものを一口大に切り、それを皿に盛って提供するのがお決まりのスタイル。そして何故か沢庵が入っているのが特徴なのだ。大阪や広島と同様に地元では単に「お好み焼」として売られているが、独特の仕上がりで、ソースでなく醤油で食べる人も多い。

さて、今回紹介するのは浜松にある大石。昭和24年創業の老舗のお好み焼き屋で、浜松市街の東側、R150(掛塚街道)とR152(東海道)が分岐する相生町に店を構えている。

浜松市 相生町 お好み焼き 大石

訪れたのは2013年の正月。新年の開業日のお昼前。少し離れた駐車場にバイクを停めて入店。鉄板を囲むカウンター数席と丸テーブルが5つ。全部で20人くらいのキャパか。店主ご夫妻で持ち帰り注文を準備していた。手近な席に腰掛けてメニューを確認。

大石 メニュー

「お好み焼でお勧めは?」
「やっぱりミックスがよく出ますね」
「じゃ、お好み焼のミックス(450円)と焼きそば・サクラエビ(400円)をください」

お冷を受け取って待つ。おっとチャンポンなんてのもあるのか。

「この『チャンポン』ってどんなのですか?」
「焼きそばをお好みで包んだものですね」(※バクダンと呼ぶ店もあるらしい)
「あー、それにすれば良かったかな」
「あ、でも主人が言うには『初めてなら別々に食べて欲しい』と」
「そうなんですか、じゃ別々で良かった(笑)」

まず出てきたのは焼きそば。麺は細めのストレート。しこしこした食感。具はキャベツ、揚げ玉、たっぷりのサクラエビ。鰹節がトッピングされていて紅生姜が脇に添えてある。

焼きそば サクラエビ 400円

味付けは酸味の効いたソースであっさりめ。「薄かったら好みで掛けてください」と後掛けソースを渡された。爽やかな味わいなのでたくさん掛けても美味い。駿河生まれ遠州育ちの原体験を思い出す、懐かしい味わいの焼きそばだった。

お好み焼 ミックス 450円

続いてはお好み焼。ふんわり軽い口当たりの生地が二つ折りにされて出てきた。冒頭で述べた通り、遠州焼とも呼ばれるこの周辺独特のお好み焼きで、刻んだ沢庵が生地に混ぜられている。具はイカ・肉・玉子。ソースと鰹節が内側に塗られていた。沢庵は意識しないと分からないほどだが、素朴な甘さとポリポリという歯応えが面白い。

二品頼んだがどちらも量はほどほどで、丁度良いくらいの満腹度合い。価格が手頃なのでコストパフォーマンスも良い。満足満足。「こちらに来られたらまたお越しください」と笑顔で見送られた。よし、次回はチャンポンだな。

お好み焼き大石

店舗情報TEL:053-461-0708
住所:静岡県浜松市中区相生町19-8
営業時間:9:00~17:00
定休日:日曜
ホームページ
主なメニューお好み焼き
 素焼き 300円
 ミックス 450円
チャンポン焼き・ミックス 650円
焼きそば 350円~
モダン焼 600円~