大福屋
瀬戸市街の宮前地下街は深川神社の門前通りだ。地上にあるのだが神社や隣接する宮前公園より低地に店舗が連なっているため「地下街」と呼ばれているらしい。その入り口近くに瀬戸焼きそばを代表する焼きそば専門店・大福屋は店を構えている。
一笑の記事でも触れた通り、かつては一軒挟んだ左隣に福助という焼きそば屋があった。今も看板だけは残っているのだが10年ほど前に閉店してしまった。以来、瀬戸焼きそばといえばこの店が筆頭とされているようだ。過去2回訪問したが、どちらも偶々臨時休業で振られてしまった。3度目に訪れたのは今年2月下旬の日曜日。今回は営業しているようだがお昼前で随分と混雑しており、店の前には順番待ちの人もいた。
持ち帰りの人は注文を告げると番号札を渡され、出来上がりの時間帯を伝えられる。店内で食べていく人は名前を用紙に記入して呼ばれるのを待たねばならない。私も名前を書いて待つこと約15分。混雑する店内へと促される。
店内は2~4人掛けのテーブルが8卓ほど。メニューは焼きそば400円、大盛600円、関東煮(おでん)が一串80円、玉子100円。ちなみにこのお店は「写真撮影禁止」である。食べるのは元々焼きそば400円のつもりだったが、焼きそばの写真が無いのも寂しいので撮影用に持ち帰り400円も注文した。
「並ひとつ、おみやひとつー」
お店は店主ご夫妻と息子さんらしき男性の三人で切り盛りしていて、焼台はご主人が、奥さんと息子さんが接客・配膳を担当している。途切れることなく注文が入り、ご主人は黙々と山盛りの焼きそばを炒め続けていた。繁盛するのは良いことだろうが、余りに忙しそうで気の毒になるほどだ。
大量のキャベツと麺を鉄板に置いてしばらく焼く。味付けは豚肉の煮汁で、それをだーっと掛けると湯気がもわーっと立ち上る。そこからは両手に持った小手を駆使して一心不乱に炒めるのみ。一山を炒め終わって皿や持ち帰り用パックに取り分けると、すぐに鉄板の焦げを削って次の一山に取り掛かる。その焦げも絨毯ほどの厚みがあり、何とも豪快な作り方だ。
注文してからさらに15分ほど待ってようやく自分の焼きそばが運ばれてきた。麺は細めで茶色い深蒸し麺。柔らかめで一本一本が短く、ボソっとした食感だ。具はキャベツのみで豚肉煮がトッピングされ、脇に紅生姜が添えられている。
豚肉を醤油風味で煮た煮汁による味付けが瀬戸焼きそば最大の特徴だ。やや薄めの味付けで、卓上にあるソースを好みで掛けるとなかなか美味い。しかし焦げの匂いが気になる。前述の通り、大量に焦がしながら調理してるためだろうか、残念ながら香ばしさを通り越して苦いほどだった。ご当地B級グルメブームで増えた客をさばくためには仕方ないのかも知れないが、出す品のクオリティ低下はお店にとっても不本意だろうに。
持ち帰りの焼きそばは前述の宮前公園のベンチで食べた。小型容器で醤油ダレもついてきて、こちらはこちらで美味しくいただけた。もし客足の落ち着いた平日に来たのならさらに好印象だったかも知れないが、ま、3度目の正直の結果だから仕方あるまい。
店舗情報 | TEL:0561-84-3894 住所:愛知県瀬戸市深川町5 宮前地下街 営業時間:11:00~16:00 定休日:水曜日・不定休 |
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主なメニュー | 焼きそば 400円 大盛 600円 関東煮(おでん) 一串80円 玉子100円 |
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