焼そば亭文
相模原と座間の市境に位置する相武台。この地名は戦前、座間に陸軍士官学校が移転した際に昭和天皇から賜ったそうだ。戦後、士官学校は米軍のキャンプ座間に代わり、周辺は団地を擁する閑静な住宅街になった。その相武台に「焼きそば亭文(ぶん)」という焼きそば専門店がある。
訪れたのは4月上旬の平日、お昼過ぎ。住宅地にある入り組んだ商店街に目印となる三和スーパーを発見。目的の焼きそば屋はその正面にある。
こじんまりした店舗に入ると中はウッディかつファンシーな造りだ。あまり見かけないタイプの焼きそば専門店である。お店のブログによると2009年の4月に開業したらしい。左手にガラス張りの厨房があり、右手に2人掛けのテーブルが4つばかり配置されている。先客は無し。
「いらっしゃいませ」
「食べて行きたいんですが」
「はい、そちらへどうぞ」
持ち帰りでないことを告げると男性店主が客席へと促した。店の雰囲気から女性店主かと思っていたが、このご主人一人でお店を切り盛りしてるらしい。WEBでの情報によると元理学療法士で、材料も無化調にこだわっているそうだ。ちなみに仕込みに手間が掛かるため、週三日、水木金しか営業していない。
メニューはほぼ焼きそばのみで、ソース、塩、あんかけの味付けが選べ、肉・目玉焼き・イカのオプションも指定できる。他に焼ラーメンもあるとは知らなかった。スープ入り焼きそば的な品らしいがそれはまた今度にしよう。
「肉目玉焼焼きそばの並(420円)をください」
「味付けはどうされます?」
「ソースと塩のどちらがお勧めですか?」
「お客様の好き好きですねー」
「うーん、ではソースで」
調理の様子だと、この店では具と麺を別々に鉄板で炒めているようだ。それも同時に別々ではなくシングルタスクである。このため出来上がりまでは凡そ10分余り。さらに別の味の焼きそばの注文が入った場合、前の焼きそばが完成してから次のに取り掛かるようだ。時間に余裕の無い人には厳しい店である。
「お待たせしました」
焼きそばの盛られた皿の他、スープとお新香がお盆に載せられ運ばれてきた。
麺は中太で柔らか目。焼き目も付いていてカリッとした食感も楽しめる。炒める際に削り粉を少々塗してあるため味の滲み具合も良い。具はモヤシにキャベツ、人参で前述の通り別々に炒められたものだ。シャキシャキした歯応えの残る仕上がり。味付けはソースで特製タレの出汁だろうか、円やかな旨味も感じる。トッピングは青海苔、目玉焼きに黒胡椒。脇に紅生姜。これは好き好きだが黒胡椒は客の側で掛ける方が良い気がする。
付け合せのオニオンスープは、ほっとする爽やかな味わい。お新香も嬉しいが、ちょっと塩っぱいかな。しかしこのクォリティで420円は安い。
後客や持ち帰りの客も訪れて、地元では親しまれているようだ。営業日が水木金に限られているので難易度は高いが、何かのついでに寄るだけの価値はある美味しい焼きそばだった。
店舗情報 | TEL:042-747-3505 住所:神奈川県相模原市南区相模台4-8-17 営業時間:11:30~14:30 16:30~19:30 定休日:月、火、土、日曜日 → ホームページ |
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主なメニュー | 肉焼きそば(ソースor塩味、以下同) 380円 肉目玉焼焼きそば 420円 イカ焼きそば 420円 イカ、エビ、肉 みっくす焼きそば 500円 イカ、エビ、肉 みっくす目玉焼きそば 540円 イカ目玉焼きそば 460円 各大盛 50円増し(麺1.5倍) 特盛 100円増し(麺2倍) 特製あんかけ焼そば 600円 特製焼きラーメン 480円 |
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