タイコウ
タイには麺を炒める焼きそばだけでなく、カリカリに揚げたカタ焼きそばもある。それを食べに訪れたのは、高田馬場にあるタイコウというタイ料理店。漢字だと「泰皇」で、タイ国の王様という意味になる。
訪問したのは2月中旬の平日のこと。住所は高田馬場駅からほど近い、早稲田通り沿いのビルになっている。「こんなとこにタイ料理店なんてあったっけ?」と2度くらい往復して、ようやく看板を見つけた。松屋と吉そばの間の階段を登って、右に曲がったところが入り口だ。なかなか難易度が高い。
実はこの日、ランチにも来てみたが、目的の品はディナータイムのみとのこと。公式サイトのランチメニューに載っていたので、肩透かしを食らった気分だが、気を取り直して夜に再訪した。
フロアはかなり広めで、テーブルとボックス席が並んでいる。夜10時で他に客はおらず、店員さんたちはテーブルで休憩してた。ラストオーダーまであと30分。どことなく帰りたそうな雰囲気でちょっと申し訳ない。
さっと食べて帰ろうとミャンマービールとツマミ一品、カタ焼きそばを注文。高田馬場はミャンマー料理店も多いので、ビールもそれにしてみたが、330mlの缶で580円はちと高いかも。味はそれなり。アサヒスーパードライの中生が450円なので、2杯目はそちらにした。
まずやってきたのはナマズ炒め(980円)だ。タイ語表記は「パッペップラドゥーク(ผัดเผ็ดปลาดุก)」。「パッ(ผัด/Pad)」は「炒める」、「ぺッ(เผ็ด/Ped)」は「辛い」、「プラードゥック(ปลาดุก/Pla-dook)」は「ナマズ」のこと。ナマズはタイではポピュラーな食材で、日本のタイ料理店でも提供する店が増えつつある。
「パッ・ペッ・プラードゥック」の場合、ナマズは切り身をそのまま炒めているわけではなく、事前にカリカリに揚げてある。そのナマズを、クラチャーイという根菜を細く切ったものや、バイマックル(コブミカンの葉/ライムリーフ)と一緒に炒めてあった。味付けは唐辛子メインのレッドカレーペースト。味がかなり濃いが、辛くてビールに合う。小骨はカリカリでそのままかみ砕けるし、骨が多いのも慣れてくれば大丈夫。
そして目的の品、タイのあんかけカタ焼きそば、「ミー・クローブ・ラードナー(หมี่กรอบราดหน้า/Mee Krob Rat na)」も運ばれてきた。「ミー(หมี่/Mee)」は小麦粉を使った「中華麺」、「クローブ(กรอบ/Krob)」は「揚げる」、「ラードナー(ราดหน้า/Rat na)」は「あんかけ」を意味する。この店のメニューでは、「タイ風あんかけラーメン(ミークローブ ラッナー)」と表記されていた。
しかし出てきた品はラーメンには程遠い、揚げ麺にシャバシャバの餡を掛けたもの。そういえばラオスで食べたカタ焼きそば(ミー・コープ/ໝີ່ກອບ/Mii Khop)も、餡はほとんどとろみがなくシャバシャバだったっけ。味付けのベースはジーユーダムか、シーズニングソースか、大豆由来の調味料がメイン。ニンニクは効いているが辛くはなく、むしろ甘めで、予想以上に中華系の味わいだ。
餡の具は剥きエビ、飾り切りしたイカ、魚団子、ふくろだけ、青梗菜、人参など。テーブルと器の色が、青梗菜と人参に丸被りなのが妙に面白い。「ルーチン・プラー」と呼ばれる魚のすり身の団子はスープ麺や和え麺でも良く使われる食材だ。ここのミー・クローブ・ラードナーでは2分割したのが入っていた。
ナマズをつまみにビールを飲みつつ時間を掛けて平らげたため、麺はある程度は解れたが、ズルズル啜れるほどの柔らかさには程遠いままだった。しかしタイの麺料理にこういうバリエーションがあるのは面白い。
お腹一杯になって、お会計は2960円。生ビールとかた焼きそばだけなら1500円なので、割とリーズナブルに本格的なタイ料理を楽しめそうだ。ランチのコスパも良かったし、家からも近いし、穴場的な店として覚えておこうっと。
店舗情報 | TEL: 03-6457-6289 住所: 東京都新宿区高田馬場1-26-12 高田馬場ビル 2F 営業時間: 11:00~15:00 17:00~23:00 定休日:年中無休 → ホームページ |
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主なメニュー | タイ風あんかけラーメン(ミークローブ ラッナー) 950円 ナマズ炒め(パッペップラドゥーク) 980円 |
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