カフェメルス 猪子石店
名古屋の喫茶店文化は独自の発展を遂げている。モーニングが豪華なのは有名だが、普通にコーヒーを頼むとピーナッツやクッキーなど、なにかスナックが付いてきたりする。また喫茶マウンテンを始め、変わったメニューを出している店も多い。カフェメルスもちょっと変わったメニューがある喫茶店の一つだ。
今回訪れたのはカフェメルス猪子石(いのこいし)店。名古屋市千種区郊外の住宅地に面した立地で、すぐ近所にはショッピングセンターやデニーズがある。同じ並びにあるパンダらーめんという店がちょっと気になったが、初志貫徹で入店。
内装は喫茶店というよりはアメリカンダイナーのような雰囲気。客席は入ったあたりにボックス席が5卓ほど。一段下がった奥にはボックス席と、その頭上にロフト席がある面白い造りだ。昼下がりでランチのピークは過ぎたはずだが、店内はほぼ満席。大盛り無料だからか、若者が多い。
イタリアンスパゲッティやあんかけスパゲッティなどの名古屋飯もあるが、この店の一番人気は、にんにくピラフのホワイトソース掛け。実はこの店、いろんな品にホワイトソースを掛けたメニューが用意されているのだ。ホワイトソースが独立したカテゴリにまでなっている。もちろん焼きそばもある。
「ご注文はお決まりですか?」
「焼きそばのホワイトソースがけ(900円)を、あとホットコーヒーも」
「大盛になさいますか?」
「いえ、普通で結構です」
「W」マークのついたメニューは無料で大盛にできるが、他の客のを観察したところ盛り具合はかなりのもの。食べ歩きなのでノーマルにしておいた。
入口脇に本棚があり、マンガがギッチリ詰まっている。あずまんが大王の一巻を選んで、ふんふん読んで待つ。やがて焼きそばが運ばれてきた。器はなんと、直径25cmほどのフライパンだ。そうきたか。
「お熱いのでお気をつけくださーい」
「は、はい」
麺は中細の蒸し麺。縮れていて柔らかく、長さがとても短い。長くて7〜8cmくらいか。その麺を豚挽き肉&ざく切りキャベツと炒めて、酸っぱめのソースで味付けしてある。鉄板の周りを玉子で固めるのは中京文化圏の鉄則なんだな。トッピングにホワイトソースと刻み海苔。脇に紅生姜。
ホワイトソースはバター・ミルク・小麦粉を使った、正統派のベシャメルソースだ。新潟みかづきのホワイトイタリアン的な品を想像していたのだが、それとは全く異なって具は一切使われていない。毎日店で仕込んでいるらしく、なめらかでとてもマイルドな味わいだ。焼きそばに混ぜてみるとコクが増すが、味の変化はそれほど感じられない。刻み海苔との相性も良いとは言いにくいかなあ。一番人気のにんにくピラフがやはり合うのだろう。
個人的にはホワイトソースより、むしろフライパンから直接焼きそばを食べるというスタイルが印象に残った。学生の頃、食器を洗うのが面倒臭くてやった覚えがある。スキレットは良く見かけるが、フライパンでの提供は思いつかなかったなあ。全体的にいろいろ予想外だったが、これも食べ歩きの醍醐味だ。
食後はホットコーヒーでまったり。ランチタイムの食事はドリンク1杯無料というのは嬉しい。あずまんが大王を数ページ読み進め、972円を支払って店を出た。ちなみに伝票の記載は「そば白」。単刀直入でわかりやすい。名古屋の喫茶店、やっぱり面白いなー。
店舗情報 | TEL: 052-774-3938 住所: 愛知県名古屋市千種区千代が丘6-10 平和ビル 1F 営業時間: 11:30~翌03:00 定休日: 無休 → ホームページ |
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主なメニュー | 焼きそばのホワイトソースがけ 900円 |
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コメント一覧
最近行きましたが、焼きそば目的で行くような店でないので、焼きそばは食べませんでした。
ここは深夜3時までやってることが特徴で、深夜営業が少なくなった今では便利な存在です。
ちなみに、肉の天ぷらがおいしいです。豚肉の唐揚げって感じのものです。
焼きそばの話題でなくてすみません。