すずのや

2017年7月29日

昨年7月、青森滞在の最終日。八甲田山の辺りで偶然出会った地元のライダーから「黒石のつゆやきそばはラーメンのスープのやつと、そばつゆのやつと、2種類ある」と教えられた。先日食べた妙光食堂はラーメンスープの方でかなりしょっぱかったが、そばつゆだとそうでもないという。ふーむ。妙光食堂の他にめぼしい店が分からなかったのでこのまま帰ろうと思っていたが、そう言われたらそばつゆ版のつゆやきそばも食べておかねばなるまい。

ということで急きょ黒石を再訪し、駅前の案内所でリクエストして教えていただいたのが今回ご紹介するお店、すずのや。古い町並みの一角にあるお店で、つゆやきそばを前面に押し出している焼きそば専門店である。

黒石市 すずのや

このすずのやは、私が事前調査した際にも訪問候補のひとつだったので一応ある程度の予備知識はある。つゆやきそば発祥の店と言われる「美満寿」の味を幼い頃から食べてきた店主が再現した店で、いわばそばつゆ版のルーツの味というわけだ。

11:40に入店。比較的新しい内装で、明るい感じのつくりだ。「いらっしゃいませ」と男性店主と手伝いの女性が迎えてくれた。客席は四人掛けのテーブルが5卓ほどで先客は一人客が2組。

すずのや メニュー

メニューはやきそばとつゆやきそば、それとそのバリエーションのみ。他の客は皆つゆやきそばを食べている。自分もテーブルに腰掛けて、当然のようにつゆやきそば500円を注文。

暑い日だったこともあり「お冷やをいただけますか」と女性の店員さんに尋ねたら、「あちらにございますので」と入り口を指された。紙コップに汲んで喉を潤す。セルフサービスなのは構わないのだが分かりにくい場所なので店内にその旨を掲示していただけるとありがたい。

卓上には一味とソースがある。そばつゆなら確かに唐辛子が合いそうだ。調理は中華鍋を使っているらしい。麺の箱には「やぶや」という製麺所の屋号が書かれていた。やがてお盆に乗せられて、どんぶりに入ったつゆやきそばが登場。

つゆやきそば 500円

麺は黒石独特の太目の平打ち麺。量は丁度1玉だろうか。並=1玉が当たり前なのだが、器のせいかこれまでの店に比べるとちょっと少なめに感じる。具はキャベツに玉ねぎスライス、豚肉。麺に比べて具の量の割合が低いが、この辺のシンプルさは自分の好みだ。そしてトッピングに刻んだネギと揚げ玉。これは妙光食堂でも同じだったな。

さて、食べてみるとつゆがやはり大きく違っている。出汁の効いた醤油の風味がソース味に混じり、ラーメンスープに比べるとまろやかで食べやすい。揚げ玉でコクも加わって、結局全部飲み干してしまった。

お会計の際に、「そばつゆの方が食べやすいですね」と店主に告げたところ、「うちは最後まで飲めるスープだからね」と応じてくれた。なんでも現在の地に移転して2年半だが、それ以前に経営していた居酒屋でもつゆやきそばを出していたという。

「うちは早い時期からつゆやきそばを出してたからね、黒石でも2番目に古いんじゃないかな」

そんなに以前からやってたとは驚いた。それにしても美味しかった。これでもう少し麺の量があるともっと嬉しいのだが。味のみならず、焼きそばにコストパフォーマンスの良さも求めてしまうのは私の悪い癖かな。

黒石やきそば専門店 すずのや

店舗情報TEL:0172-53-6784
住所:青森県黒石市前町1-3
営業時間:11:00~17:00
定休日:不定休
ホームページ
主なメニューくろいしやきそば400円
くろいしつゆやきそば500円