レストラン 吉甚

イワシとかハムカツとか乗っている焼きそばがあるのなら、ステーキが乗っている焼きそばだって、あるんじゃないか? そう考えて探してみたら、芝浦にあるレストラン吉甚(よしじん)という店を見つけた。ここにそのものズバリ、ステーキ焼きそばなる品があるらしい。

港区芝浦 レストラン 吉甚(よしじん)

1月中旬の金曜日。仕事を終えて職場の同僚と訪問。場所はJR田町駅の南側。西口側からのアプローチだと第一京浜・札の辻交差点から南の陸橋へと進み、藻塩橋で新芝運河を渡る。サイゼリアの先、旧海岸通りの手前に目的の看板を見つけた。

レストラン 吉甚 店内の様子

ガラスケースにはワインボトルが並んでいる。雑居ビルの中二階に渋いドアがあった。フロアは広く、古き良き洋食屋さんという趣。ネットの口コミによると昭和38年創業だとか(異説もあるらしいが未確認)。テーブルが多数並んでいて、ランチは恐らく混みあうのだろうが、この時間帯、前客は一組だけだった。あとから一組やってきたけど、思ったより空いている。

2人以上ならクーポンでデキャンタワインが

テーブルに着席して、まずはWEBで入手できるクーポンを見せた。2人以上だとこのクーポンでワインのデキャンタがサービスしてもらえるらしい。白か赤かを訊かれ、赤を指定。期待以上の量が運ばれてきた。さっきのサイゼリアへの対抗だろうか。この量を無料サービスされると、かえって恐縮してしまう私である。

レストラン 吉甚 メニューの一部

さて、注文。目的の品、ステーキ焼きそば以外がなかなか決まらない。洋食メインなのだがバラエティに富んだ品揃えで、ついつい目移りしてしまう。同行者とあーだこーだ悩みながら、サーロインのペッパーステーキとコンビネーションサラダに落ち着いた。お通しのきんぴらごぼう(200円)をつまみながら待つ。

サーロインのペッパーステーキ 1080円

最初に運ばれてきたのはサーロインのペッパーステーキ(1080円)。「え、1000円ちょっとでこんなちゃんとしたステーキが来るの?」とパッと見で驚き。大きな一枚肉のサーロインステーキが、熱々のプレートに切り分けて盛り付けられている。奇をてらわない昭和チックな王道ステーキだ。

焼き加減も上々

牛肉の両面はしっかり焼かれているが、芯はちゃんと赤いまま。焼き加減も上々だ。味付けはシンプルに塩とブラックペッパー。上に乗っているガーリックバターも、フライドポテト・いんげん豆・人参グラッセという定番の付け合せも、いかにも老舗洋食店という味わいで嬉しい。

コンビネーションサラダ 480円

続いてコンビネーションサラダ(480円)が登場。何がどうコンビネーションなのか謎だったが、「盛り合わせ」程度のニュアンスなのだろう。葉物野菜が高騰している昨今、この値段でこれだけ盛ってくれているのは実にありがたい。個人的には白アスパラが印象に残った。

ステーキ焼きソバ 790円

そしてお待ちかね、真打ち登場。なぜか「ソバ」だけカタカナの、ステーキ焼きソバ(790円)がやってきた。メニュー名の通り、ソース焼きそばにステーキがドーンと乗っている。これもインパクト大のビジュアルだ。紅生姜が添えられているのが微笑ましい。

ステーキと焼きそばという組み合わせの妙

さすがに肉はちょっと薄めだが、それでも食べごたえ十分。焼きそばは蒸した中細の中華麺とキャベツ・もやし・人参・玉ねぎを炒めて、ソースで味付けしたオーソドックスな品。これにステーキを載せるという発想が実に面白い。これが790円って価格にも感心してしまう。一人ならこれとビールだけでも充分満足できそうだ。

ミートソースとキノコのとうふグラタン 530円

さらにもう一品、ミートソースとキノコのとうふグラタン(530円)を追加。滑らかな絹ごし豆腐を、濃厚なミートソースとキノコ、とろとろのチーズが包み込んだ熱々の品。これも値段に釣り合わないほどボリューミーだった。

お会計は3280円。1人換算だと1600円ちょっと。クーポンを使ったせいもあるけど、あれだけ飲んで食べてこの価格ってのは、申し訳なくほどだった。レストランというよりは普段飲みにも使えそうな、穴場の洋食屋さん。こういうお店は大好きなので、また機会があれば利用したい。

レストラン 吉甚

店舗情報TEL:03-3452-0887
住所 : 東京都港区芝浦3-20-9
営業時間: 11:30~13:30、17:00~22:00
定休日: 日曜・祝日
主なメニューステーキ焼きソバ 790円

サーロインのペッパーステーキ 1080円
コンビネーションサラダ 480円
ミートソースとキノコのとうふグラタン 530円