Asian Cuisine A.O.C.

ある日、麻布十番で蟹と目が合った。

蟹と目が合った

もちろん生きている蟹ではない。どこでランチを食べようかとぶらぶら歩いて、目に入った立て看板の写真である。

歩道に置かれた立て看板

抱卵中のように蟹が抱えているのは麺らしい。蟹のパスタなら割と見かけるが「Asian Lunch」と書いてある。もしかしたら焼きそばかも知れない。気になる。よっしゃ、確かめてみよう。

麻布十番 Asian Cuisine A.O.C.

矢印の先へ向かってみると、「Asian Cuisine A.O.C.」というアジアンレストランを発見。あとで知ったが、六本木の人気店、「東京バル ajito」の系列店で昨年3月にオープンしたそうな。

麻布十番 A.O.C. 店内の様子

ドアを開け、日本離れしたセンスの内装にちょっと驚いた。凝ってはいるが気取ってないのが好印象。メインの通りから離れている上に、ピークタイムは過ぎていたので思ったより空いている。

麻布十番 A.O.C. ランチメニュー

ランチメニューにはエスニック料理がいろいろ並んでいる。「アジア料理」を看板に掲げているだけあって、ジャンル・国も多種多様だ。どれも美味しそうだが、カニ関連の麺料理は見当たらない。

麻布十番 A.O.C. グランドメニューから抜粋

目的の品はグランドメニューに載っていた。「丸ごと渡り蟹の濃厚蟹味噌炒め麺(1480円)」、これだ。ジャンルと言うか国は一応「中華(China)」になっている。英語表記は’Snow crab Stir-fried Noodles’。

蟹の旨みと特注もちもち中華麺。たっぷりの蟹味噌で和えた贅沢な一皿。たっぷりの香草を添えて。

「炒め麺」「Stir-fried」。焼きそばと分かって心の中でガッツポーズ。ランチでもこの品を注文できるか訊いたところ、OKとのこと。やがて運ばれてきたカニ乗せ焼きそば。盛り付けのインパクトが凄い。

丸ごと渡り蟹の濃厚蟹味噌炒め麺 1480円

麺はもちもちの太麺。カニ味噌をベースにしたソースを絡めて炒めてある。そこに砕いたナッツとパクチー、そして渡り蟹が豪快にトッピングされている。

豪快にトッピングされている渡り蟹

甲羅の内側は全てこそぎ落として、ソースに使われていた。メニュー名の通り、濃厚な旨味に加え、エスニック風に軽くスパイスを利かせてある。パクチーやナッツとの相性、食感の組み合わせもばっちりだ。

蟹味噌の濃厚な旨味

足には身肉も残っていた。カニ専用ナイフなどがないので、細い脚まで解すことはできなかったが、太い付け根の身などは美味しくいただけた。昨年、サンフランシスコのCrustaceanで食べたローストクラブ・ガーリックヌードルを思い出す。

足には身肉もたっぷり

そして蟹に興味が集中してしまいがちだが、実は麺自体のクォリティが高い。蟹味噌をまとった麺にはちょっと手もみ風の縮れが入っていて、太さや食感・風味など申し分なし。

麺自体のクォリティが高い

「この麺、浅草開花楼っぽいな……」

単なる印象が食べているうちに確信に変わってきた。どうにも確かめたくなり、後日再訪して店の人に訊いてみたらドンピシャ正解。特注した麺を浅草開花楼から仕入れているとのこと。まぐれでもこういうのが当たると嬉しいものだ。

サービスで食前にはランチ用のサラダも出していただけた。お会計は税込みで1598円。いやー、大当たりの焼きそばだった。街中でカニと目が合ってラッキーだったなー。

パッタイ ランチ1000円

その後も何度かこちらのお店をランチで利用している。パッタイは桜えびや厚揚げ、たくわん入りで自分好み。パッタイになぜ細切りのたくわんが入っているのかは、大久保のクンメー本店の記事をご一読あれ。

トムヤムラーメンランチ1000円

また、トムヤムラーメンも浅草開花楼謹製の特注麺を使っていて、辛さと酸味が癖になる美味しさだった。どの料理も通常のエスニック料理というよりは、一度アメリカ辺りを経てスタイリッシュに洗練されたアジア料理をイメージすると良いかもしれない。まだそれほど知られていない穴場だけど、そのうち混みそうな予感がするので、興味ある方は空いているうちに訪問することをオススメしますよ。

アジアン キュイジーヌ エー・オー・シー

店舗情報TEL: 03-5545-3340
住所: 東京都港区麻布十番1-2-1 ボヌール麻布十番1F
営業時間: 11:30~15:00 17:30~23:30
定休日: なし(年末年始・お盆を除く)
ホームページ
主なメニュー丸ごと渡り蟹の濃厚蟹味噌炒め麺 1480円