さのめん お食事処こころ
いろいろ忙しく、3ヶ月半も前の訪問記事ですけど、久しぶりの更新です。
今年6月に、富士宮やきそば学会が主催する第一回「語り部育成アカデミー」が2日間に渡って開講された。私はソース焼きそばの歴史と地域性の講師として呼ばれたのだが、参加者された製麺所や現役飲食店の皆さんから学ぶことの方が多く、とても得るものの多い2日間だった。特に富士宮やきそばの公認製麺所4社が一堂に介する機会に同席できたのは、とても貴重な経験だった。
2日目の午前中に、アカデミーの解散式を浅間大社で終えたお昼時。せっかく現地まできたので、富士宮やきそばのお店を開拓したい。そうして足を伸ばしたのが、野中東町にある「さのめん お食事処こころ」だ。
富士宮やきそばは市内にある4つの製麺所の麺を使うことがルールの一つとされている。その公認製麺所の一つがこちらの「さのめん」だ。こちらの動画によると、1955年に創業した木下製麺所という会社が1955年に廃業してしまった。その味に慣れ親しんでいた佐野裕さんが、2009年11月に復活させた。
さらにこちらの記事によると、業務拡張ならびに新パッケージの導入に伴って、2016年に屋号を「さのめん」に変更した。そんな経緯もあり、さのめんは「故”木下米治”の技」として、「幻の麺」「秘伝の水冷深蒸し製法」を謳っている。
前述した動画では、「富士宮にも柔らかい麺がかつてあった」という主旨で、木下製麺所の麺の特長を報じていた。富士宮の他の製麺所では、麺を蒸したあと、水分を加えずに麺をほぐして空冷する「蒸しっぱなし」が特長だ。しかしこちらでは麺を水冷している。その水分が、他の3つの製麺所との違いとして現れたのだろう。
嬉しいことに、「お食事処こころ」では店内で製麺の様子を見学できる。客席の正面に、ガラス張りの製麺室があるのだ。富士宮やきそばの製麺所で一般見学ができるのは、さのめんだけで、とても貴重な施設でもある。
モニターでは映像も再生していて、富士宮やきそばや、さのめんの歴史・特長を解説してくれる。各工程の説明も張り出されていて、とてもわかりやすい。
もちろん見学だけでなく食事もできる。こちらがメニュー。「赤麺」「黒麺」「緑麺」「金麺」の4種から麺を選べ、それぞれ並盛と大盛りがある。
「赤麺」が旧・木下製麺所の本来の麺。柔らかめで、基本的に差し水なしで使える。「黒麺」は富士宮やきそばの王道的な麺。差し水が必要で玄人向け。「緑麺」はこんにゃくを練り込んだヘルシーな麺。「金麺」は山芋を配合したプレミアム版だ。
今回の訪問は、冒頭で触れた語り部アカデミーに参加されていた、さのめんの息子さんに連れてきていただいたこともあって、4種全ての麺を基本スタイルでいただくことができた。「これぞ富士宮やきそば」と呼びたくなる皿が、次々と運ばれてくる。
写真ではどれも同じにしか見えないが、食べ比べると「赤麺」の柔らかさ、「黒麺」の歯ごたえの違いを実感できる。ちなみに「赤麺」は学校給食にも使われているそうだ。たしかに子どもはこちらを好むかもしれない。
「緑麺」は違和感ない美味しさで、「金麺」には独特な食感と風味と甘みを感じた。そして大事なのは、どの麺も富士宮やきそばとして美味しいという点だ。柔らかめといっても他地域に比べれば歯ごたえは十分。そこに肉カスやだし粉の旨味が重なって、めっちゃウメーン!
富士宮やきそばの公認製麺所のうち、「マルモ食品」「めんの叶屋」「曽我めん」に比べて、「さのめん」(旧・木下製麺所)のシェアは小さい。前々から一度食べてみたかったのだが、なかなか機会がなかった。今回訪問できた事自体がとてもうれしい。こうした多様性が末永く維持されることが、富士宮やきそば自体の存続・隆盛に繋がるのではないかと思う。
今回ありがたいことに、お土産として富士宮やきそばセットをいただいたので、後日、自宅でも作ってみた。キャベツとラードだけ用意すればOK。
こちらが「さのめん」さんのセットを使った、自作の富士宮やきそば。我ながらめっちゃウメーン! 嫁も絶賛していた。特に肉カスがお気に入りらしい。
富士宮やきそば好きで、まだ「さのめん」を未食の方がもしいたら、ぜひ一度お試しあれ。オススメですよ。それはそうと、他の製麺所も見学してみたいなー!
| 店舗情報 | 住所: 静岡県富士宮市野中東町43 営業時間: 月火木金土祝日 11:00〜14:00 定休日: 水曜 → ホームページ |
|---|---|
| 主なメニュー | 赤麺 並み 600円 大盛り 700円 黒麺 並み 600円 大盛り 700円 緑麺 並み 650円 大盛り 750円 金麺 並み 750円 大盛り 900円 |







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