やました商店
いまや随分と有名になった静岡おでん。他地域では居酒屋などで供されているが、ネイティブ県民はむしろ駄菓子屋を思い出す。幼い頃から一串数十円のやつを買い食いし育ってきたのだ。
静岡市内にもそんな駄菓子屋が何軒かあって、やました商店もそのひとつ。神田鯉風先生のブログの記事でこの店の存在を知り、正月休みに実家からUターンする途中で立ち寄ってみた。
訪れたのは1月上旬の日曜日。市街地中心部からだいぶ離れて、やや閑静な住宅街になる辺り。住吉公園の脇にある店舗に到着した。幟はあるが暖簾も看板も無し。ちょっと入りづらい。
入ると右手が厨房。鉄板の向こうから店主が「いらっしゃいませ」と声を掛ける。その前がカウンター席になっていて椅子4脚ほど。奥にはおでん鍋の乗ったテーブルが1つある。左手は販売スペースで郷愁を誘う駄菓子類が並んでいた。
メニューはコナモンメイン。焼きそばは350円。たこ焼きは150円から。安い。さすが駄菓子屋。
「なんにしましょう?」
「焼きそばの並(350円)ください。あとおでん貰うでね」
真っ黒なおでん鍋から適当に串をチョイス。食べ歩きなので黒はんぺんと牛筋の2本だけにしておこう。牛筋は本来80円だが小さいから60円で良いとのこと。それ以外は60円均一。
青海苔・出汁粉・味噌を掛け、食べながら焼きそばを待つ。ダシが程よく滲みてて美味い。サービスでアイスコーヒーもいただいた。焼きそばは鉄板で調理され、10分ほどで供された。
麺はうどん並に太い平打麺。具はキャベツ・モヤシ・玉葱・イカ・揚げ玉。豚肉と温泉玉子がトッピングされ、その上からマヨネーズ・青海苔・ダシ粉が掛かっている。脇には紅生姜もちんまりと。350円と思えない具とボリュームだ。
味も文句なし。マヨネーズの醸すジャンクな味わいと、それを受け止めるだけのぶっとい麺。チープさが融合して昇華されている。美味い。
食べながら訊いたところ麺だけで200g使っているそうな。大盛は100円増しで1.5倍。2倍のダブルもあるらしい。男子高校生などはペロリと平らげるそうだが、女性客には先におでんを食べ過ぎて焼きそばを食べきれない人もいるとか。うーん、どんだけサービス精神旺盛なのだ。
ちなみに駄菓子屋は母が始めて40年以上、おでんや焼きそばは意外に最近で2年半前から始めたとのこと。90過ぎになるご母堂は今も現役で店に出るそうだ。
お会計は470円。いやあ、すっかりお腹がくちくなった。平日なら午後3時を過ぎるとこの公園が子供で一杯になるらしい。この店の味がきっと彼らのソウルフードになるんだろうなあ。
店舗情報 | TEL:090-3567-1565 住所:静岡県静岡市葵区一番町32 営業時間:11:00~20:00 定休日:無休 |
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主なメニュー | 焼きそば 350円 大盛 450円 たこ焼き 3個 150円(串たこ) 6個 300円 8個 350円 お好み焼き 350円 おでん 牛すじ 80円 その他 60円 |
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