権兵衛
だいぶ前に横浜・寿町、東京・山谷のお店を紹介しましたが、今回は「日本三大ドヤ街」残りのひとつ、大阪・釜ヶ崎から。ドヤ街シリーズ第三弾かな?
大阪西成区あいりん地区、通称・釜ヶ崎。日本最大のドヤ街として有名な地域である。清涼飲料水の自販機は50円がデフォルトで、そこかしこが小便臭く、一人で怒鳴り散らしてるおっちゃんを良く見かけ、そしてこれまで何度も暴動が起きた日本でも稀有な場所だ。
釜ヶ崎を訪れたのは2012年の4月中旬の日曜早朝。新今宮駅から萩ノ茶屋駅に掛けて南海電鉄の高架西側で、毎週末の早朝に開かれる露天市場、通称・泥棒市が目的だった。片方だけの靴、使いかけのシャンプー、色あせたビニ本、剥き出しのファミコンカセット。どこから入手したのか良く判らぬ品々が段ボールに並べられ、真剣に値段の交渉が為されている。売る方も買う方も物好きだが、わざわざ日曜に早起きして見に行く私もかなり物好きだ。踊る阿呆に観る阿呆か。いろんな意味で危険なので写真は遠目から。
特に何も買わぬまま一帯をウロウロと見歩いてから朝飯に寄ったのが、今回紹介する権兵衛。釜ヶ崎の北端、新今宮駅の高架下にあるホルモンとうどんの店だ。高架下と言っても道路が横断する脇にあるため、並ぶ店は4軒しかない。どの店も終戦まもなくからやってそうな雰囲気を醸している。
サッシの引き戸を開けて店内へ入ると「いらっしゃい」と店主の兄さんが迎えてくれた。客席はカウンターのみで15人分くらいか。日曜の8時半で先客は無し。
メニューはホルモン焼、ホルモン煮の他、うどん、中華そば、飯、そして焼きそばと焼きうどん。麺類の上には小さく「ホルモン入り」と書かれている。焼きそばは大並小とあって、それぞれ3玉、2玉、1玉という分量。朝飯なのだが喉も渇いていたのでビールの小(330円)と焼きそばの並(410円)を注文した。
先に来たキリンラガーを飲りながら調理の様子を眺める。ダボに麺を入れ、軽く湯掻いてから表の鉄板で炒め始めた。途中でホルモン煮の鍋からお玉で少々取り分けて軽く混ぜ炒めて出来上がり。
麺は中太でコシがありシコシコとした食感。焼き目もちゃんと付いている。具はざく切りキャベツとホルモン煮で、キャベツの歯応えとホルモンの柔らかさが絶妙にマッチ。味付けは甘口のソースを使っているが割とあっさり目で、ホルモン煮のコクが生きている。トッピングの類は無いが、卓上の七味唐辛子を掛けて食べるのも美味かった。
後から常連らしきおっちゃんが来て、やはりビールと焼きそばを注文していた。店主と競馬の話などして和んでいる。思っていたより客層は悪くなさそうだ。最寄のローソンのトイレに「注射器を捨てないで」と注意書きがあるような地域だけど、興味のある方は一度どうぞ。
店舗情報 | TEL:06-6631-4841 住所:大阪府大阪市西成区萩之茶屋1-1-12 営業時間:7:00~19:30 定休日:木曜日 |
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主なメニュー | 焼きそば、焼うどん 410円 大530円 中華そば、うどん、そば 350円 大470円 ホルモン焼、ホルモン煮 210円 ビール 小 330円 大 450円 |
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