一平
『東京裏路地“懐”食紀行』という文庫本に掲載されていた居酒屋・一平。かつては大崎広小路のガード下にあった店だが、京急線の耐震工事で余儀なく移転したようだ。現在は五反田から少し歩いた首都高目黒線の高架沿いにあるマンションの一階で営業をしている。その本では塩焼きそばが紹介されており、読んでいるうちに興味がわいた。
実際に訪れたのは2年余り前になる。2011年11月の平日、19時半過ぎ。すりガラスの引き戸を開けると、一番奥に厨房、その手前にL字のカウンター、そしてそれを囲むように2人掛けのテーブルが8卓ほど置かれていた。客席は8割がた埋まっていて、ほぼ全員が常連のようだ。スタッフは女性店主とお手伝いの中国人女性。一番厨房寄りのカウンター席に腰掛けてビールの大瓶(550円)を注文した。
「キリンとアサヒがありますが?」
「じゃ、キリンで」
肴に刺身の盛り合わせ(350円)を注文。お通しのタコとネギのぬた(250円)をつまみながら待つことしばし。〆鯖、マグロ、タコ、イカが豪快に盛りつけられてやってきた。これで350円は激安だ。
メニューの写真が見づらいかも知れないが、その他のつまみも含めてこの店は全般的に値段が安い。
次に注文した豚肉のケチャップ炒めも出された瞬間、「え? これ、300円で良いの?」と思ってしまった。さらに何故かリンゴまでおまけでいただいた。うーん、なんて良い店だろう。
ビールの後に酎ハイ(300円)を2杯お代わりして、締めに焼きそば(400円)を注文。肉・野菜をフライパンで炒め、レンジで袋ごと温めた市販の麺を投入。件の本では「(味付けは)その日の気分で……」と書かれていたが今日はソースのようだ。付属の粉末ソースとそれとは別のソースを使って味を調えてできあがり。
下味が付けられた豚肉とキャベツ、ピーマン、ニラ、モヤシが使われている具沢山のソース焼きそばだ。「良心的な居酒屋の焼きそばは野菜たっぷり」という私の持論を裏付ける品だ。つまみによし、締めによし。
たらふく食べて呑んで御会計は2,450円。お腹にも懐にも実に優しいお店である。思い出したらまた行きたくなってきた。近所にあったらきっと通ったことだろう。
店舗情報 | TEL:03-3493-7730 住所:東京都品川区西五反田7-20-13 セブンスターマンション第7五反田 1F 営業時間:17:00~23:00 |
---|---|
主なメニュー | 焼きそば 400円 刺身の盛り合わせ 350円 豚肉ケチャップ炒め 300円 ビール(大瓶) 550円 酎ハイ 300円 |
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません