加茂川
今年4月下旬にマニア仲間と鹿児島市内の大衆中華を何軒か巡った。そのいくつかを紹介してきたが、シリーズ最後は別行動。一人だけ皆と分かれて、長年の宿題店を訪問した。
向かった先は「加茂川」というお好み焼き店。昭和25年創業というから、76年の歴史を誇る老舗だ。お店の方の話では、事業継承で先代から受け継いだのだそう。経緯については、地元紙の記事が参考になるだろう。
加茂川は鹿児島最大の繁華街・天文館エリアにある。天神馬場通りの看板が目印だ。細い路地の奥の方に入口がある。
ファサードは今どきのウッディな造りだが、店内はやや暗め。といっても清潔感がある。歴史を感じさせる雰囲気だ。
客席は全て畳敷きの座敷席だ。各席は柱と間仕切りで区分けされている。昔からの造り、ほぼそのままなのだろう。
土間の通路を奥へと促され、二人掛けの鉄板付き座卓に案内された。週末のランチタイムで、和気あいあいとした話し声があちこちから聞こえてくる。家族連れの大所帯も居た。
さて、メニュー。焼きそばは何種かあるが、ベーシックな「焼きそば」(豚肉・野菜/900円)にしておこう。お好み焼も食べてみたいが、他の店も食べ歩いてきたので今回は断念。
それからドリンクも注文。前の店で朝から飲みすぎたので、ここではソフトドリンクの「貴茶」(たかちゃ/400円)を選択した。
鹿児島の飲み物といえば芋焼酎が思い浮かぶが、それだけではない。知覧茶で有名な緑茶の産地でもある。鹿児島で何度か緑茶をいただいたが、遠州の茶処・掛川出身の私が喫んでも素直に美味しかった。
ちなみに加茂川で使われている鉄板は、四辺が完全に塞がれているタイプだ。焦げカスを集めて捨てる穴が空いていない。こういう鉄板は東京のもんじゃ屋に多い。水分の多い生地を広げても漏れ落ちないから、もんじゃ焼きに向いているのだ。
お店の方によると、この鉄板は創業当時からのものだそう。いまは作られていないたあめ、新しいものに交換したくてもできないという。
それからかつお節と青のりは鉄板脇に置かれていたが、紅生姜はない。紅生姜やマヨネーズなど、余分な味は加えないのが、こちらの方針なのだとか。リクエストするお客さんがいれば紅生姜を乗せるけれども、非常にまれだと仰っていた。
そういえば鹿児島 餃子の王将やながづきでもソース焼きそばを食べたが、紅生姜が添えられていなかった。鹿児島ではあまり好まれないのだかもしれない。
注文から5分ほどで焼きそばが運ばれてきた。チリトリに盛られた焼きそばが、あらかじめ火を付けて熱くなった鉄板に移される。もしかしたら自分で焼くスタイルのお店かと思ったが、そうでなくて助かった。
麺は細い蒸し麺。シコシコ、ホギホギの低加水ストレート麺で、量はほどほど。甘さを感じる豚肉と、キャベツ・モヤシ・にんじん・玉ねぎなどの野菜に、ほんのりと酸味が香る爽やかなソースが絡んでめっちゃウメ~ン!
なお冒頭の記事では、〝ソースは「迫醸造店」(山之口町)のデコーソース、焼きそばの麺は「フクヤマ食品」(日置市伊集院町)のもので、どちらも創業以来使い続けている〟と記載されていた。これもお店の方の話なのだが、〝鹿児島では茹で麺がスタンダードで、蒸し麺ここだけではないか〟とのこと。
店名「加茂川」の通り、ルーツは京都らしい。ただ事業継承なので創業当時の経緯については不明だそうだ。西日本でソース焼きそばに蒸し麺を使うのお店は、貴重な存在である。実際に来てみて本当によかった。
興味ある方は、『愛にいこう。鹿児島』キャンペーンを利用して、ぜひ実食してほしい。いやむしろ、地元の方に他のお店との違いを認識していただきたい。山形屋食堂とは全く別物の、鹿児島名物焼きそばとして多くの人に知られたら嬉しいなあ。
| 店舗情報 | 住所: 鹿児島県鹿児島市東千石町2-18 営業時間: 日 11:30〜14:30 17:30〜22:30 定休日: 月曜(詳細) → ホームページ |
|---|---|
| 主なメニュー | 焼きそば(豚肉・野菜) 900円 蒸し麺と豚肉、ソースがめっちゃウメーン 鹿児島では蒸し麺はここだけかも |







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