ますや
前回紹介した通り、焼きラーメンと言えば九州が有名だが、調べてみたら北海道にも「焼ラーメン」を提供し続けてきた店を見つけた。帯広市街にある老舗の中華食堂、ますやである。始めた時期は不明だがだいぶ古くからで、福岡のそれとも全く異なる品らしい。昨年の7月、バイクで北海道を訪れた際に帯広まで足を延ばして食べてきた。
帯広駅から豚丼で有名なぱんちょうの並びを東に200mほど進んで、11:30、ますやに到着。平日のお昼時だったがまだ早い時間のためか、先客は無し。店主らしきおばあちゃんと、その娘らしきおばちゃんが厨房でランチタイムの準備をしていた。
客席はテーブルが不規則に置かれている。椅子は10脚くらいか。カウンターは3席。小上がりも何卓かある。入り口の脇には漫画を収めた本棚があり、如何にも街中の中華食堂という風情だ。卓上には醤油にソース、ラー油、コショウなど定番の調味料が置かれている。とりあえずカウンターに腰掛けてお冷やをいただき、壁のメニューを確認。
看板に中国料理と謳っているのに洋食も和食もあるのは、こういう食堂の常である。何が出てくるのか全く分からない「特製ますや丼」や、ちょっと舌足らずな「チャシュめん」など、個人的にそそられるメニュー構成だ。目的の品、焼ラーメン(750円)を注文すると「ソースの方だね?」と念のため確認された。勿論、YES。この店では、あんかけ焼きそばは「焼そば」、ソースの方を「焼ラーメン」と記載しているのだ。
中華鍋で野菜を炒めて麺を投入してソースで味を調えて……と、厨房の様子も良く見える。「おまちどうさま」と深みのある中華風の皿に盛られて焼ラーメンが登場。見た目はごく普通のソース焼きそばだ。
麺はやや細めの縮れ麺で柔らかめ。蒸し麺でなくラーメン用の麺を茹でて使ってる点が特徴か。具は玉ねぎ、キャベツ、ピーマン、モヤシ、豚肉にイカ。おっと、ホタテまで入っていた。これは嬉しい。そしてトッピングに紅生姜と刻みネギ。味付けはソースのスパイシーさが良い感じに出ている。油が多めに使われているため、かなりコッテリした味わいだ。ボリューム的には一食として十分な量。具も多くて腹に溜まる。
お会計の際、おばあちゃんに尋ねたところ、創業以来57,8年にもなるらしい。カウンターには最近亡くなったと伺った旦那さんの写真が立てかけられていた。おばあちゃんには、お店や焼ラーメンと共にいつまでも健在であって欲しいものだ。
店舗情報 | TEL:0155-23-8746 住所:北海道帯広市東1条南11丁目20 営業時間:11:00~21:00 定休日:不定休 |
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主なメニュー | 焼ラーメン(ソース)750円 焼そば(あんかけ) 750円 ますや丼 730円 オムライス 780円 |
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