焼麺 六三本店
都内の焼きそば情報をチェックしていると、東武東上線の東武練馬駅にある「焼(やきそば)麺 六三本店」という店を見つけた。調べてみると「あぺたいと東武練馬店」が最近になって屋号を変更したらしい。
同店の店長=オーナーとは一面識があったので、独立の経緯などが気になった。新型コロナが落ち着いた頃、東武東上線方面に所用のあった11月3日の文化の日に、連れと訪問してみた。
「焼麺 六三本店」は東武練馬駅の南側、入り組んだ隘路にある。東武練馬駅は板橋区なのだが、目的の店はギリギリ練馬区だったりする。こっちで良いのかな、と不安感を抱きつつ進むと電飾看板が現れた。
2階へ登ると左側が入り口だ。店長兼オーナーの久米勇一さんにまずはご挨拶。店頭の電飾看板でお子様連れ大歓迎のメッセージが流れていたが、店内の壁にも客のお子さんたちが描いた絵がたくさん貼られていた。
客席はカウンターが数席、テーブル2卓、奥に小上がりが2卓ある。先客は2組。我々はテーブルの一つへと促された。ガラス越しに焼きそばを調理する鉄板が見えるベストポジションだ。
まずは生ビール(495円)と烏龍茶(220円)で乾杯だ。一番搾りが滲み渡る。お通しの刻んだタクワンをつまみつつ、おつまみメニューを確認する。
基本的に提供しているメニュー・サービスは、屋号変更前と全く同じらしい。焼きそば専門店だがおつまみも充実しているのは、他のあぺたいとと同様。焼きそばの前に何品か注文した。
一品目はもろきゅう(330円)。11月にしては温かい陽気だったこともあり、さっぱりした品から始めてみた。飾り切りが目を楽しませてくれる。
二品目はスパム玉子(550円)。特別なメニューではないのだが、うまいうまい。コロナで何ヶ月も飲食店で飲むことが禁止されていたため、こういう居酒屋メニューに飢えているのだ。
三品目は肉団子(440円)。甘酸っぱいタレがねっとりまとわり付いて、おかず力が高い。レタスも合う。注文して正解だった。
四品目はクリームチーズ&いぶりがっこ(550円)。バルなどでは定番化しつつある組み合わせだ。いぶりがっこのコリコリした歯応えとスモーキーな風味が、クリームチーズの濃厚な味わいに合う。
酒の方は、ビールからすぐに生搾りすだちサワーへ移行。あてが進むに連れ、酒がどんどん減っていき、何度も中(チューハイ)をお代わりした。そんな感じで飲み食いしつつ、ご主人・久米さんの手が空いたタイミングを見て、あれこれお話をうかがってみた。
この店が「あぺたいと東武練馬店」としてオープンしたのは、2014年3月のこと。6年半、フランチャイズ店として経営してきたが、昨年、契約条件に変更があったのを期にフランチャイズから離れたそうだ。別に仲違いしたとかではなく、今でもあぺたいと社長とは交流があるらしい。
2020年10月から「焼(やきそば)麺 六三本店」という屋号になった。ちなみに「六さん」という高校時代からのあだ名が屋号の由来らしく、いまでも「六さん」と呼ばれているそうだ。「焼麺」を「やきそば」と読めば良いのか、「六三」と「本店」で区切って良いのか、個人的に気になるのだが聞きそびれてしまった。
この辺りで肝心の焼きそばを注文しよう。あとで変わり種も食べるつもりだったので、ここは定番をチョイス。やきそば中(1.5玉、900円)の生玉子トッピング(55円)でお願いした。
茹で上げた麺を鉄板に広げ、両面をじっくり焼く。ソースを掛けてほぐしながら具材と一体化させる。これまで何度も見てきた調理風景だ。しかし1.5玉にしてはどうも麺の量が多いような……
おまたせしました、と運ばれてきたのは、たっぷり2玉は使われてそうな大盛り焼きそばだ。写真だと皿の大きさが分かりにくいが、イメージしていた倍近くある。久米さんによると、どのお客さんにも割と多めにサービスしがちなのだそうだ。ホスピタリティに溢れているんだなあ。
パキパキに焼かれた麺と、細切りの豚肉、長ネギ・モヤシの一体感は期待通りの安定感。生玉子を崩してカラメルと、滑らかな喉越しとコクがプラスされる。黄身だけを使用する辺りに、細やかな配慮を感じる。
味変用の調味料もいろいろ用意されていた。ガーリックとおつまみ豆板醤の組み合わせがオススメだ。出されたときのボリュームに驚かされたが、あれこれ味変を試すうちに、二人でペロリと平らげてしまった。
「まだいけるかな」「いっちゃおう」と相談して、お好み焼き風焼きそばを追加で注文した。メニューを最初見たときに、「お好み焼き風」がどんな品なのか気になっていたのだ。先ほどのボリュームを見ているので今度は小サイズ(809円)にしておいた。
しばらく経って出てきた品は、やはり小とは思えない迫力だ。焼きそばに薄焼き卵をかぶせ、お好み焼き用の濃厚ソースとマヨネーズ、鰹節が掛けられている。つまりはオムそばだ。
食べてみると、なるほど、味わいは大阪風のお好み焼きっぽい。両面をパリパリに焼き上げた焼きそばを、こういうスタイルのオムソバにしたのは初体験で斬新だった。完成度の高い焼きそばだけにアレンジは難しいと思っていたが、こういう試みは楽しい。
お好み焼き風焼きそばもどうにか食べ終えて、すっかり満腹だ。お会計は5000円ちょっと。せっかくお越しいただいたのでと、あれこれサービスしていただき恐縮至極。屋号は変われど、人は変わらず。ご主人・ロクさんのおもてなしの精神をそこかしこに感じる、居心地の良いお店だった。またいつか、ふらりと寄らせていただこう。
店舗情報 | 住所: 東京都練馬区北町2-38-6 大豊ビル2F 営業時間: 火~土: 11:00~15:00 18:00~24:00 日・祝: 11:00~22:00 定休日: 月曜 |
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主なメニュー | やきそば 700円~ お好み焼き風焼きそば 809円~ |
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