山口屋
茨城県の県西&県南エリアの焼きそば特集、最後は取手市から。2週に渡ってご紹介しましたが、ひとつとして似たタイプの焼きそばが無いってのが、驚きでした。
利根川を挟んで千葉県我孫子市の北に位置する茨城県取手市。その取手市立白山小学校のすぐ近くに、山口屋という焼きそば専門店がある。JR常磐線の取手駅西口からも割と近い場所だ。
訪れたのは5月下旬、土曜日の午前11時ごろ。こじんまりした建物には、「やきそば」の文字が染め抜かれた渋い暖簾が掛かってきた。木枠にガラスの引き戸。日差しで色あせたフード。もろ私好みの、グッとくる鄙びた外観だ。
引き戸を開き、「こんにちはー」と店内へ。「いらっしゃいませ」と出てきた女将さんが一人で切り盛りしているようだ。テーブルは4卓。先客なし。建物はちょっと古びているが、とても丁寧に掃除されていて清潔感がある。
メニューは焼きそばとドリンクのみ。焼きそばの玉子入は350円と250円がある。食べ歩きということで、小さめの方がよかろうと250円の方を注文した。
女将さんは厨房の鉄板で調理を始めた。焼きそばの焦げる香りとコテの音が小気味よい。出されたお冷を飲みつつ待つこと7分ほどで、注文した品が運ばれてきた。黄色い。
玉子入りの焼きそばというと混ぜ炒めか、あるいは目玉焼きがトッピンされているスタイルが多い。しかしこちらは薄焼き玉子で覆われていた。漂う香りからして、とても美味しそうだ。
薄焼き玉子を箸で捲ると、熱々のソース焼きそばが現れた。麺は細い蒸し麺で、一本一本が短い。具は薄切りハムとキャベツが一緒に炒められていた。
さらに玉子に隠れて青海苔や紅生姜も添えられていた。焼きそばは酸味勝ちのソースで必要十分な味付けだ。薄焼き玉子もほんのり塩気があって、食欲を刺激する。なによりも、この値段でハムが入っているのが嬉しい。
玉子入りで250円なのでボリュームは軽め。食べて終わるころには「350円にすれば良かった」なんて思ったり。一応、オムそばに分類されるのかも知れないが、カタカナ表記はあまり似合わない、懐かしさを感じさせるとても美味しい焼きそばだった。
女将さんに確認したところ、こちらのお店は女将さんの旦那さんのお母さんの代からやってるとのこと。こちらも常総市のやきそばあおきのように、目の前にある小学校の卒業生たちにとっては、きっと思い出の味なのだろう。この価格設定は大変だろうけど、末永く続けて欲しいなあ。
店舗情報 | TEL: 0297-73-2034 住所: 茨城県取手市白山2-3-12 営業時間: 11:00~18:00 定休日: 木曜 |
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主なメニュー | 焼きそば 並 200円 大 300円 焼きそば玉子入 並 250円 大 350円 焼きそば特大玉子入 650円 |
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