お知らせ


中和飯店

韓国旅行3日目の続き。龍宮海鮮チェンバンチャジャンで昼食をとり、龍宮寺(ヨングンサ)を参拝したあとはバスで釜山市街へ戻った。富平市場(부평시장/プピョンシジャン)を夕方までウロウロ。その後、釜山駅からソウル方面のKTXに乗り、1時間ほどの距離にある東大邱(동대구/トンデグ)駅で途中下車した。

ソウル・釜山に次ぐ韓国第3の都市、ここ大邱(대구/テグ)市には、「大邱10味(대구10미/テグシンミ)」と呼ばれる10個の名物料理がある。そのうちのひとつが日本語そのままの「ヤキウドン(야끼우동)」なる品なのだ。当ブログとしては放っておけず、わざわざ途中下車して元祖の店へ寄り道してみた。

大邱 中和飯店

東大邱駅から地下鉄で最寄りの中央市場駅へと移動。大邱の街は想像以上に栄えていた。1954年創業の韓国式中華料理店、中和飯店(중화반점/チュンファパンジョム)は繁華街にあり、すぐ見つかった。1973年にこの店の初代シェフがヤキウドン(야끼우동)を考案し、その後、大邱の中華料理店に広まったという。そのため看板にも「元祖(원조/ウォンジョ)야끼우동(ヤキウドン)」を掲げている。

大邱 中和飯店 店内の様子

入店したのは平日の18時半ごろ。広いフロアにはテーブルが多数並んでいて、そのほとんどが埋まっていた。当たり前のように皆ヤキウドンを食べている。待たされるかと思ったが、入り口近くのテーブルの客がちょうど入れ替わりで出て行ったため、すんなりと着席できた。

中和飯店 メニューの一部

メニューにはこの店の名物、「特味焼きうどん(특미야끼우동/トゥクミヤキウドン/₩9,000-)」が、とりわけ大きく載っていた。韓国でも「うどん」は「우동/ウドン」と呼ばれ、太い小麦麺と醤油出汁で一般的に食べられている。またウドンと同様の麺をあっさりスープで食べる「カルグクス/칼국수」という麺料理もある。しかし大邱のヤキウドン(야끼우동)は真っ赤で辛いのが特徴だ。漢字表記は「辣水炒麵」。「饂飩」でも「烏龍面」でも「刀切面」でもなく、辛さが強調されている。

ビール ₩4,000-

その特味焼きうどんと一緒にビール(₩4,000-)も注文。ビールは青島・Cass・hiteがありCassを指定。グラスはhiteなのは見なかったことにしよう。韓国式中華の定番、生玉ネギとたくわん(단무지/タンムジ)、カクテキをツマミに飲む。玉ネギとたくわんはお代わり自由なので、バランスを考えて「チョギヨー、リピルジュセヨー」とビールもお代わりした。たくわんがやけに瑞々しかったり、玉ネギに付ける味噌が甘くなかったり、細かな点だがこれまでの韓国式中華店とひと味違うのが面白い。

特味焼きうどん(특미야끼우동) ₩9,000-

特味焼きうどん(특미야끼우동/トゥクミヤキウドン)が配膳されたのは注文からたっぷり20分ほど経ってから。前述の通り料理名は「ヤキウドン」となっているが、日本の一般的な焼きうどんとは似ても似つかない。炒められた麺と具が、真っ赤なつゆに浸っている。見るからに辛そうで、汁少な目の韓国式ちゃんぽんと呼んだ方がよさそうだ。新宿の香港飯店0410で食べた焼きちゃんぽんよりもそれっぽい。

辛さの旨味の調和が素晴らしい

麺はモチモチの太麺。うどんではなく、チャジャンミョンなどで使われる手述べ風の中華麺だ。具はイカ・ブタ・玉ねぎ・人参・ほうれん草。味付けはニンニクと唐辛子に海鮮の旨味が効いたスープで、見ての通りのつゆだく状態。ただ、それぞれの味の要素が主張しつつも不思議に調和していて、しかもあざとくない。一口食べただけで、「あ、これは日本でも絶対に受ける」と唸ってしまった。

モチモチ麺と具・味のバランスが絶妙

大ぶりの具や、長細く刻まれた豚肉も、もちもち麺との食感の相性を考えてのことだろう。辛さも含めて期待を大きく上回る好みの味だ。食べ歩きなのにボリュームが多い点を嬉しいと感じるほど、辛い物好きの自分にはドンピシャだった。他の客を観察したらご飯と焼きうどんを混ぜて食べたりしてる。あの食べ方もいいなー。いつか機会があればまた食べに来たいぞ、これ。

焼きうどんとビール2本でお会計は₩17,000≒1700円。「マシソッソヨー(美味しかったですー)」と告げて店を出る。いやあ、わざわざ途中下車して来た甲斐があった。元祖を名乗る店は多いけど、やはり地域の味の原点ともいえる真の意味での元祖の店ってのは凄いなあ。

KTXのチケット コレールパスで分割予約

地下鉄で東大邱駅に戻り、KTXに再び乗って、ソウル駅へ到着したのは22時近くのこと。「コレールパス(KORAIL PASS)」でKTX乗り放題って便利なんだけど、いちいち乗る便の座席を確保しなければならないのが、ちと面倒くさいね。

店舗情報店名: 中和飯店
住所: 大韓民国大邱広域市中区南一洞92
電話番号: (+82)53-425-6839
営業時間: 11:30~21:00
休業日: 第2・4月曜、旧正月・秋夕(チュソク)の当日
主なメニュー特味焼きうどん(특미야끼우동) ₩9,000-