FRESHWILL ロッテ百貨店本店
明洞のロッテ百貨店本店の地下にフードコートがある。このフードコートに目当ての店があったのだが、事前調査によるとどうも数年前に撤退してしまったらしい。念のため韓国へ渡った初日に訪れてみたが、やはり見当たらず。気落ちしつつも、他にどんな店が入っているのか眺めて回ったら、フロアの一角に気になる店を見つけた。
FRESHWILL(프레쉬윌/フレッシュウィル)というのが屋号で、"NOODLE & GRILL"とのキャッチフレーズが付いている。見た感じでは、どうやら炒麺と炒飯がメインの鉄板焼き専門店らしい。その後、ホテルへ戻ってから調べたところ、Well Food System(WELL FS)というグループのブランドのひとつで、韓国各地のロッテ百貨店のフードコートに何店舗か出店しているようだ。どんな品か確かめたくなり、韓国滞在2日目の昼食に再訪してみた。
メニューの代わりに日本ではおなじみの食品サンプルが、店頭にずらっと並んでいた。炒麺系はヘムル・ヤキミョン(해물야끼면/海鮮炒面)、プルコギ・ヤキミョン(불고기야끼면/烤肉炒面)、トッカルビ・ヤキミョン(떡갈비야끼면/打糕猪排炒面)の三種類。価格は全て9000₩≒900円。見た目に加え、ハングルに漢字や英語が添えてあるので、どんな品か分かりやすい。「焼き(야끼/ヤキ)」は韓国でも一般的に通用しているんだね。
ちょっと迷ってトッカルビ・ヤキミョンを注文。ついでにChilsung Cider(チルソン・サイダー)という炭酸飲料も購入して、合計で₩11,000。レシートと缶とストローと呼び出しブザーを渡され、カウンターの端っこの椅子に着席して待つ。サイダーは日本の三ツ矢サイダーを思わせる予想通りの味だった。
眼の前の鉄板で小手を器用に使って焼き上げる。熱したステーキプレートに盛り付けると、すぐに手元のブザーが鳴った。受け取ったトレイには、ステーキプレートと一緒にキムチ、スープ、そしてチリソースが乗っていた。
前回紹介した明洞屋台の焼きそば(焼蕎麦)と同じく、ここも麺はうどん玉を使っている。店頭の食品サンプルの写真をあとで拡大して気が付いたが、英語表記は「Grilled Short Rib Patties Yaki Udon」で、実は「焼きうどん(Yaki Udon)」と最初から書いてあった。モチモチのうどん玉と一緒に炒めてある具はモヤシ・玉ねぎ・人参・コーン・インゲン・キャベツなど。野菜は8割はモヤシだったが、たっぷり使われているので全体的にヘルシーな印象を受けた。
トッピングはトッカルビとカイワレとサラダ菜。トッカルビ(떡갈비)はカルビ=バラ肉を使った韓国風のハンバーグのことだ。「トッ」はトッポギの「トッ」と同じく、「餅(떡/打糕/トック)」を意味する。カルビをミンチにして餅のように丸めたので、こう呼ぶようになったらしい。一般的な焼肉屋だとカルビ=牛バラ肉だが、この店は漢字表記が「猪排」なので豚バラ肉を使っている。マルシンハンバーグを思わせるパテには甘辛のタレが掛かっていて、案外厚みもある。小手で上から押さえて、焼き目をちゃんと付けていたのも好印象。
全体の味付けは甘塩っぱく、割と甘めに寄っている。モチモチの太麺が美味しい。焼うどんとしてなら、日本で出されても全くおかしくない味わいだ。付いてきたチリソースを混ぜると、なかなかの辛さになった。前回紹介した明洞屋台ではコチュジャンベースのソースだったが、ここのはタイ料理やベトナム料理などで使われるスイートチリソースだ。この国では辛さを増すソースが必須なのだろう、きっと。
スープは葱と揚げ玉入り。すっきりあっさりした味わいでよい箸休めになる。キムチもなかなかいけた。コスパ的にバランスのよい焼きそば……もとい、焼きうどんだった。前日の明洞屋台もそうだったが、焼きそばと思わせといて焼うどんばかりだな。ま、予想を裏切られるのが旅の面白いところだ。
ラオスのタラート・サオ・モールでもそうだったが、デパートのフードコートはその国の飲食サービスを手っ取り早く知るには最適かも知れない。現地の人たちが普段から利用しているので、最大公約数的な食事が集まっていて、バリエーションも一通りそろっている。今後、海外を訪れる際は意識しておくようにしよう。
店舗情報 | 住所: 大韓民国ソウル特別市中区小公洞1 ロッテ百貨店 B1 営業時間: 10:30~20:00 定休日: ロッテ百貨店の休業日に準ずる → ホームページ |
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主なメニュー | トッカルビ・ヤキミョン(떡갈비야끼면/打糕猪排炒面) 9000₩ ヘムル・ヤキミョン(해물야끼면/海鮮炒面) 9000₩ プルコギ・ヤキミョン(불고기야끼면/烤肉炒面) 9000₩ |
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