フィリピン風 居酒屋 カバヤン
今週は昨年いろいろ大勢集まって食べた店を3軒ご紹介します。料理点数が多いので必然的に写真が多く長文になりますけど、ご了承くださいませ。ま、普段ひとりで食べ歩いているので、こういうのもたまにはねってことで。
今回紹介するのは板橋区にあるフィリピン風居酒屋カバヤンというお店だ。場所は東武東上線の上板橋駅と東武練馬の中間あたり。10月下旬、メシコレでおなじみの二代目こうめさんからお誘いいただき、フィリピン料理を食べる会へ参加することとなった。
店は日本人のご主人とフィリピン人の奥さんで切り盛りしている。奥さんはマニラからバスで一時間くらいのルソン島出身だそうだ。ちなみに屋号の「カバヤン(Kabayan)」は「同胞」という意味らしい。
参加者10名があらかた集まったところで、まずはフィリピンのビール、サンミゲルで乾杯。あとは金宮をソーダで割って、カラマンシー=シークァーサーを絞ったり、各々好みの酒を頼んだ。
いろいろ食べたので写真と寸評をざーっと挙げていこう。まずは、お通しの手羽元のココナッツミルク煮。見た目よりも辛く、グリーンカレーのような味わいだ。柔らかく煮込まれていて、とても美味しい。
チッチャロン・バボイ(Chicharon Baboy/500円)はカリカリに揚げた豚皮。イギリスで食べたポーク・クラックリングと同じものだが、揚げたては風味が段違いだ。ココナッツ・ビネガーをつけるとさらに旨い。
テラピア(Pritong Tilapia/800円)は、タイに似た形の淡水魚・ティラピア=イズミダイだ。これも丸ごとカリカリに揚げてある。表面は固いが白身で美味しい。添えられたスイートチリソースも合う。
ルンピア・シャンハイ(Lumpiang Shanghai/600円)は揚げ春巻きのこと。ひとつひとつのサイズが小さくてかわいい。想像通りの外さない味わいだ。それにしても揚げ物が好きなんだなあ。
カレカレ(Kare-kare)は、ハチノスと野菜の煮物。見た目はカレーっぽいけど、ピーナッツバターなどを使っていて、まったく辛くない。見た目と味のギャップが面白い。ちなみに添えられているのはアミを発酵させた塩辛的な食材。混ぜると味に深みが増す。
クリスピー・パタ(Crispy Pata/2500円)。豚のすねをカリカリに揚げたもので、大きな塊で出てくる。北京ダックのように皮を楽しむのがメインで、写真のように捌いてくれるので、スイートチリソースあるいはグレイビーソースのようなたれをつけていただく。期待以上に美味しく、骨に残った肉まで余さず食べた。
ディヌグアン(Dinuguan/800円)は豚肉の血の煮込み。レバーペーストのような風味だ。臭みを消すためにスパイスを多用しているかと思ったが、辛さよりも酸味が強い。酢を多用するんだなあ。
バロット(Balot)。孵化の途中のアヒルの卵を茹でたアレだ。ベトナムで食べたことがあるが、あちらではホビロンという名前だった。店長さんによると、まず尖った方を割って汁をすするそうだ。卵スープのような、貝のスープのような濃厚な味わい。黄身は柔らかく、白身はめっちゃ歯応えがある。黄身とササミとレバーとが混然となったような味わいで、やはり癖はあるが、我々のテーブルでは好評だった。
シシグ(Sisig/800円)。豚のハツ・レバー・バラ肉を刻んで、カリカリに炒めたもの。ユッケのように玉子の黄身が添えられてきた。そのままでもいいが、黄身を混ぜるとさらに旨い。
そしてお待ちかね、フィリピンの焼きそばだ。こちらの店ではオリジナルのビーフンミックス(800円)をいう品を出している。パンシット・ビホン(Pancit bihon)=焼きビーフンと、パンシット・カントン(Pancit canton)=揚げ麺の混ぜ炒めで、ビーフンは新竹米粉を使っている。米粉は戻してから使うが、揚げ麺はそのまま投入し、食材の水分で柔らかくなるらしい。揚げ麺が短いのはそのせいか。
具は豚肉、エビ、セロリの葉、インゲン、キヌサヤ、人参、モヤシ。味付けはフィリピンの醤油=Marca Pina Soy Sauceがベースとのこと。台湾料理店で出されてもおかしくない味わいなのは、地理的に近いからなのかな。癖のない味わいで好評だった。
カルデレータ(Kaldereta/800円)。ビーフシチュー、あるいは肉じゃが風の煮込み料理だ。トマトソースっぽくもあり、コクがあってとても旨い。一般的な日本人にも受けそう。
サバヒーのから揚げ(Daing na Bangus/800円)。これも白身魚で、カリカリに揚げられている。周りから「アジの開きだ」という声が上がる。実際、アジの開き並みに御飯にあう。懐かしさを感じる美味しさだった。
シニガン・バボイ(Sinigang Na Baboy/800円)。Sinigangはスープ、Baboyは豚肉で豚肉のスープのこと。味付けはかなり酸っぱく、タマリンドを使っているらしい。スペアリブの出汁がよーくでている。御飯にぶっかけるとめちゃ旨い。
終電を見計らって、食いしん坊の呑兵衛たちの集いもお開きに。いやー、食べた食べた、飲んだ飲んだ。フィリピン人はとにかく米を食べるらしく、どの料理もご飯に合う味付けだった。特に最後のシニガンとサバヒーの定食風の組み合わせは参加者から絶賛された。もちろんビーフンミックスも美味しかった。まだ食べてない料理もあるし、再訪必至だなあ。
店舗情報 | TEL: 03-3932-9746 住所: 東京都板橋区上板橋3-24-1 営業時間: 18:00~翌6:00 定休日: 無休(不定休) → ホームページ |
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主なメニュー | ビーフンミックス 800円 チッチャロン / Chicharon Baboy 500円 テラピア / Pritong Tilapia 800円 ルンピア / Lumpiang Shanghai 600円 シニガン / Sinigang Baboy 800円 |
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