西町食堂
愛読しているブログ「全国イイ味ハマル味」で、山梨県北杜市にある西町食堂の存在を知った。汁だく焼きそばで有名な成駒屋と同じ長坂エリアにある食堂らしい。この記事の〆の部分にはこう書いてある。
ツユダクではないのですが、ソースあと掛けタイプで「焼きそばは西町食堂派」という北杜市民も少なくないのだとか。
ふーむ、どんな品か非常に気になる。というわけでキャンプツーリングのついでに寄ってみた。
訪れたのは10月下旬、日曜日。場所は中央道・長坂ICのすぐ近く。午前11時くらいに店の前を通りがかったが閉まっている。近くのコンビニにバイクを停め、電話で確かめたところ「開店は11時15分です」との答え。とりあえず休みじゃなくてほっとした。
開店時間を少し過ぎてから再訪。客席は全て小上がりになっていて、5卓ほどの卓袱台が用意されている。着席すると、一人で切り盛りしている女将さんが熱いお茶を出してくれた。寒い日だったので嬉しいなあ。先客はなく私が口開けだったが、すぐ後から3人連れの地元男性が。さらに正午が近付くに連れ、席は徐々に埋まっていった。
さて、メニュー。ラーメンや焼きそば、定食や丼物が並んでいる。山梨の食堂で良く見かける「もつ皿」「肉皿」もある。久しぶりに食べたくなり、焼きそばの中(650円)ともつ皿(550円)を注文した。
モツは用意されているのだろう、すぐ出てきた。山梨でモツ煮と言うと第5回B1グランプリで優勝した甲府鳥もつ煮を思い浮かべる人が多いだろうが、この地域のモツ皿は馬のもつ煮だ。味付けも鳥もつ煮とは全く違っていて、こちらはあっさり風味の醤油味。臭みはなくプリプリした食感で実に美味い。
同じ北杜市のひさの食堂、韮崎市の青竹食堂、南アルプス市の依田食堂など、峡北・峡西で何度か目にしたマイナーなローカル食である。不思議なことに山梨県でも他のエリアではこれまで見かけたことがない。もし機会があったら、一度お試しあれ。
続いて焼きそばが運ばれてきた。味噌汁とソースが付いている。なるほど。噂通り、ソース後掛けスタイルなのか。
麺は中細。具は豚肉とキャベツ。麺も具も炒め煮した感じで、かなり柔らかい。味付けはソースベースだが、出汁の旨味と油脂の風味でまろやかな味わいだ。汁だくでない点を除けば、具も味わいも同じ長坂にある成駒屋の汁だく焼きそばに酷似している。これだけ近所で味も似ているのに、見た目は全く別物ってのは面白いなあ。なにか繋がりでもあるのかな。
不要とも思ったが試しにソースも掛けてみた。酸味がちなソースで全体的な味わいが心持ち引き締まる。ただ味の濃さから言えば、わざわざ後がけしなくても良い。まあ、その辺りは好みの問題だろう。味噌汁の具はお麩と豆腐。植物性タンパク質が豊富だ。これなら八ヶ岳から吹きおろす北風も耐えられそうだ。
食後にお茶をもう一杯。自分の直後に来た男性3人連れも、もつ皿と焼きそばを食べていた。やはりこれが定番の組み合わせのようだ。しかもビールまで飲んでいる。そっかあ、日曜だもんなあ。地元の人がうらやましいー。
| 店舗情報 | TEL: 0551-47-3118 住所: 山梨県北杜市高根町五町田1093 営業時間: 11:15～ |
|---|---|
| 主なメニュー | 焼きそば 並 600円 中 650円 大 700円 ラーメン 並 550円 中 600円 大 650円 もつ皿 550円 もつ定食 850円 |
