ニック
熊本で恐らく一番活気がある繁華街、新市街。例の地震で被害を受けた店も多く、廃業や休業を余儀なくされている店も目立つが、「負けんばい熊本」を合言葉にかつての活気を徐々に取り戻しているようだ。
今回紹介するニックはその新市街にある。サンロード新市街のアーケードで、独特の雰囲気を醸している間口の狭いコナモン屋さんだ。店頭に貼られていた新聞記事とその日付を元に計算すると、創業から45年くらい経つ老舗らしい。
訪問したのは6月中旬、平日の昼下がり。店内は奥に細長く、厨房を囲む形でL字気味のカウンターが7席あり、常連さんが焼酎を飲んでいた。突き当たりには漫画の詰まった本棚と2階へ登る階段。ごちゃっとした雰囲気の店である。
メニューはコナモン類と、それにご飯を付けた定食のみ。定食のご飯はお代わり自由か。700円で炭水化物祭りだな。前回・前々回で紹介したちょぼ焼がここにもある。それも気になるが、今回は屋号を冠したニック焼(750円)と生ビール(中)を注文した。
ビールはアサヒで、中が540円、小が430円。焼酎が430円。サービスの冷や奴とお新香が嬉しい。チビチビやりながら調理の様子を眺める。
ニック焼はお好み焼と焼きそばの合い盛りなので、両方を焼く必要がある。お好みは混ぜ焼きで、先にお好みだけ焼き上げた。その脇で玉子を割ってボウルを被せ目玉焼きも調理。手前の広いスペースに脂を引いて豚肉を焼き、麺投入。ソースを混ぜて炒め、それを脇に寄せてキャベツを広げる。キャベツに麺を乗せ、ほんの少しい置いてから混ぜ炒め。
焼きそばを鉄板に盛り、目玉を乗せ、お好みを半分に切って両脇に配置。ケチャップ、ソース、鰹節、マヨ、カラシをトッピングして出来上がり。あえてお好み焼を分割したシンメトリーが印象に残る盛り付けだ。
お好み焼は前述の通り大阪風の混ぜ焼きだ。ソースとマヨネーズ、カラシがあしらわれている。焼きそばの麺は中太ストレートのモチモチ麺。来週紹介予定の店でも似たようなタイプの麺が使われていた。熊本ではこういう麺が好まれているようだ。
味付けは「創業以来の秘伝」と掲げているソースだ。焼きそばは酸味勝ちな味わい。お好みのソースはケチャップも混ぜてあるのか、甘めでこってり。目玉焼きを崩して混ぜながらたべるとコクも増して美味しい。マヨネーズの風味もかなり強い。ビールが進む。
炭水化物と炭水化物でボリュームも充分。これで定食にしたら食べ盛りの学生でも満足できるだろうなあ。ビールも飲み干し、大いに満足してお会計。「ニック」という店名の由来を店主に尋ねたら、「先代がもういないからわからないねー」と苦笑いしていた。
半世紀近く熊本で親しまれてきた秘伝ソースの味。機会があったら味わってみてくださいまし。
店舗情報 | TEL: 096-356-5644 住所: 熊本県熊本市中央区新市街6-14 営業時間: 11:00~23:00 定休日: 木曜 |
---|---|
主なメニュー | ニック焼 750円 ちょぼ焼 650円 ミニちょぼ焼 520円 焼きそば・お好み焼 550円~ 定食 700円~ |
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません