Càri Trương
ハノイ最終日の夜。いよいよこの旅も終わりが近い。最後なので豪遊して余っている現地通貨を使って切ってしまおう。そんな勢いで同行者と晩飯に出かけた。
どの店にしようか迷っている矢先、ホテル近くの路地=タ・ヒエン(Tạ Hiện)通りで客引きに呼び止められた。Càri Trươngという屋号のベトナム料理店だ。店頭にメニューが置かれていて、写真付きで英語も付記されている。ふむ、分かりやすくて助かる。値段も手頃だしここにするか。
店舗は3階建てで、その2階へ案内された。天井が低いが窓からの眺めはなかなかよい。メニューからいくつかの料理を見繕ってビールと一緒に注文。お疲れ様の乾杯をして料理が運ばれるのを待つ。
注文したのは厚揚げトマトソース(Đậu phụ sốt cà chua)、鶏軟骨揚げ(Sụn gà rang muối)、生春巻(Phở Cuốn)など。どれもベトナムならではの料理だが日本人にも食べやすい味付けだ。コリコリした歯応えの鶏軟骨がビールによく合う。
生春巻きはベジタリアン用と牛肉入りの2種類があり、今回は前者にした。もちっとした食感とハーブ類の爽やかな香り。ハノイ滞在中に何度か食べたが、本場の生春巻きもこれで食べ修めと考えるとさすがに寂しい。
コムガー(Cơm Gà)は鶏のスープで炊いたご飯に骨付き鳥を乗せた料理。ご飯はターメリックで色が付いている。鶏肉を解して取り分けご飯と一緒に食べる。うーん、旨味が滲みていて実に美味しい。ターメリックの風味が食欲を増す。店名の「Càri」はカレーのことらしいので、カレー風味の料理が得意なのかな。
そして私のリクエストで締めに焼きそば＝ミー・サオ(Mì Xào)を注文。メニューには「ミー・サオ・ボー/ガー(Mì Xào Bò/Gà)」と書かれていて、牛肉(ボー/Bò)か、鶏肉(ガー/Gà)を選べるようだ。ここまで鶏肉が多かったので今回は牛肉を指定した。価格は38,000đ(約210円)。
麺はちゃんとした中華麺ではなく、もろにインスタントのあれ。ベトナムではこういうインスタント麺を使っている店も多いようだ。具はカリフラワー、人参、生インゲン、牛肉。この肉が塩漬けにされていた肉なのか、かなり塩辛い。味付けはニョクマムがベースだろうか、いかにもベトナムという風味のソース(たれ)を使っている。
インスタント麺と酸味や塩気が相まってペヤングを思い出す味わいだが、全体としては奇跡的にまとまっていて見た目以上に美味しい。これはこれでありだな。日本の「焼きそば」もそうだが、同じミー・サオ(Mì Xào)という料理名でも店によって大きく違うのが面白い。
たらふく食べてお会計。豪遊はしたがそんなに高い値段にはならずに済んだ。
ちなみにこの店の看板の左上に書かれていたコムタム(Cơm Tấm)は、砕き米を使ったベトナム南部の名物料理らしい。それがこの店の名物だったなら、それも注文しておけば良かったな。でもまあ、旅ってのはあまり計画的すぎても面白くないから、これはこれでよし。また来る機会もあるさ。
以上！ 年末年始の特別企画、海外編でした！ 日本国内の焼きそばや中国の炒麺もバラエティに富んでいますけど、やはり世界となるといろんな焼きそばがありますね。日本の焼きそばにも似ている部分もあれば、全く違う部分もあり興味は尽きません。
海外と言えば今年の3月から4月に掛けて、とある目的でロンドンに一週間ほど行く予定がありまして……。すでにロンドンの焼きそばの下調べも済んでおりますが、いやあ色々と面白そうな品が見つかりました。結果報告はだいぶ先になると思いますが、首を長くしてお待ちください。
来週からは普段通り、日本国内各地の焼きそばを紹介していきまーす。
| 店舗情報 | 住所: 2B Tạ Hiện, Hàng Buồm, Hoàn Kiếm, Hà Nội, Việt Nam TEL: +84 4 6682 5260 → ホームページ |
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| 主なメニュー | ミー・サオ・ボー/ガー(Mì Xào Bò/Gà) 牛肉(または鶏肉)焼きそば 38,000đ フォー・クオン・チャイ(Phở Cuốn Chay) 生春巻(肉なし3ヶ) 18,000đ フォー・クオン・ボー(Phở Cuốn Bò) 生春巻(牛肉入り3ヶ) 28,000đ ダウ・フ・ソ・カー・チュア(Đậu phụ sốt cà chua) 厚揚げトマトソース 18,000đ コム・ガー(Cơm Gà) 鶏もも付きターメリックライス 38,000đ 鶏軟骨揚げ(Sụn gà rang muối) 68,000đ |
