寛太郎
北九州の戸畑には戸畑チャンポンと呼ばれる独特なチャンポンがある。細い蒸し麺を使っているのが大きな特徴で、今回紹介する寛太郎は有名店の一つ。ここの焼きそばもその蒸し麺を使っているらしい。焼きそばで蒸し麺を使っている店は割と多いけど経緯が珍しいので興味が湧いた。
8月上旬の日曜、夕方に訪問。パッと見はどこにでもありそうな中華屋さんだが、赤いフードの「元祖・蒸し麺/戸畑チャンポン」の文字が凛々しい。
店内は結構広い。カウンター9席にテーブル5卓。先客は無し。これまでに取材された写真や色紙が壁に沢山飾られている。一番奥のカウンター席では店主が餃子を包んでいた。
手近なカウンターに腰掛けてメニューを確認。メインはもちろんチャンポン類だが、ラーメンや焼うどんもある。あんかけ焼きそばには「皿うどん」とカッコ書きが添えられていた。
「何を作りましょう?」
「焼きそば(580円)をお願いします」
「はーい、焼きそば」
待つ事、5分ほどで配膳。焼きそばの大きなお皿とスープの入ったマグカップが乗ったお盆が置かれた。メニューに「目玉焼入」と書いてある通り、目玉焼きがトッピングされている。
麺は前述の通り細い蒸し麺。もっちりとしたコシがある。具は肉・竹輪・片半ペン・キャベツ・モヤシ・玉葱・キクラゲ・揚げ玉。味付けはコクのある甘めのソースだ。中華風かと思ったけどソース焼きそばなのね。
目玉焼きは端がカリカリ、黄身は半熟で自分好みの焼き上がり。麺の食感と具材の旨味、玉子のコクにソースの甘さで後を引く美味しさだ。カウンターに置かれていたこの店オリジナルの赤ダレもあう。
付け合せのスープ(というかお吸い物?)は干し椎茸の出汁か。これも美味しい。卓上に紅生姜があったが焼きそばに添え忘れてしまったのが惜しまれる。
「どちらから?」と訊かれたので「東京から」と応えたら大変喜んでいただき、貴重な麺を見せてくれた。
なるほど、かん水の入った蒸し麺ならではの独特な色合いだ。昭和28年創業の田中製麺所さんが作った麺で、ルーツは戦前まで遡れるらしい。ありがたやありがたや。次回訪れたら今度はちゃんと戸畑チャンポンをいただかねば。
店舗情報 | TEL:093-881-5483 住所:福岡県北九州市戸畑区浅生3-14-21 営業時間:11:00~16:00(金土日:~20:00) 定休日:火曜 → ホームページ |
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主なメニュー | 目玉焼入 焼そば 580円 目玉焼入 焼うどん 580円 あんかけ焼そば(皿うどん) 630円 戸畑チャンポン 630円 ごぼう天入戸畑チャンポン 700円 |
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