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Breitscheidplatz

1月15日(木)のトークイベントが迫ってますね。なかなかブログ読者と直接お話できる機会もないので、奮ってのご参加をお待ちしております。今回はちょっと長めでーす。


この年末年始は嫁さんとドイツへ年越し旅行をした。主目的は本場のクリスマス・マーケットだ。日本でもあちこちでクリスマス・マーケットが開催されるようになったが、発祥は中世ドイツまで遡る。

ベルリン ブランデンブルク門

もともとクリスマス・マーケットは、クリスマスとそれに続く厳しい冬への準備を整えるため、様々な品々を売買するための市場として始まった。やがて飲食の屋台などもたくさん出店しはじめ、移動式の遊園地も現れるようになり、日本の縁日のようなイベントに変容していった。今ではドイツ各地で、季節のお祭りとして親しまれている。

ベルリン西部のブライトシャイト広場

クリスマス・マーケットの多くは、11月くらいからスタートして、クリスマスにかけて開催される。しかしドイツの首都・ベルリンでは、大晦日や正月まで続けているマーケットもある。

本場ドイツのクリスマス・マーケット

そういったクリスマス・マーケットを事前に調べ、年末年始の休みを利用して何箇所かを巡ってみた。その一つが今回紹介する、ベルリン西部のブライトシャイト広場(Breitscheidplatz)のクリスマス・マーケットだ。

華やかなイルミネーション

訪れたのは12月30日の夜。「Uバーン」と呼ばれる地下鉄を使い、シャルロッテンブルク地区のベルリン動物園駅で下車。人の流れに従って地上に出ると、華やかなイルミネーションに迎えられた。

飲食店の屋台が並ぶ

広場には思い思いの装飾を凝らした露店が立ち並び、隅から隅まで大賑わいだ。厚手の帽子やマフラーで寒さ対策をした人々が、笑顔で行き交っている。今シーズンこの広場では、年明けの1月4日までクリスマス・マーケットが開催されていた。

ケーゼ・シュペッツレの屋台

さて、クリスマス・マーケットの楽しみといえば食べ物だ。ソーセージやスイーツなど、伝統的なドイツのストリートフードを中心に、色とりどりの屋台が並んでいる。とりわけ自分が食べて見たかったのが、ケーゼ・シュペッツレ(Käsespätzle)だ。ここブライトシャイト広場にも運よく露店があった。

黒板には二つのメニューが記載

露店に掲げられた黒板には、2つのメニューが記載されている。ChatGPTの力を借りて書き起こしてみた。間違っていたらご容赦のほど。

Schwäbische(シュヴァーベン風)
Käsespätzle( ケーゼ・シュペッツレ)
komplett handgemacht(完全手作り)

1. klassisch mit geräuch. Käse u. Schmelzzwiebel – 12 €
(1. 定番:燻製チーズ+とろとろタマネギ – 12€)
2. wie oben + gebratener Schinken – 14 €
(2. 上記+焼いたハム入り – 14€)

メニューに書かれている通り、「シュペッツレ」(spätzle)は、ドイツ南西部シュヴァーベン地方の独特なパスタだ。名前は当地の方言で「小さな雀」を意味するらしい。同地域はドイツ版ラビオリとも呼ばれる「マウルタッシェン」(Maultaschen)でも知られている。同じ露店の左側では「ラクレット」も売っていた。

私が注文したのは、2のハム入りケーゼ・シュペッツレ、14€。現地ではなるべく気楽に食べ歩くため、ユーロを日本円に換算するのは控えたけれども、2500円あまりか……。やはり海外の物価はヤバいなあ。

その場でシュペッツレを作り始める

ちょうど作り置きの麺がなくなったので、少し時間がかかると言われた。スタッフの一人が、その場でシュペッツレを作り始める。小麦粉と卵で作られたゆるゆるの生地を、専用の器械で押し出して、寸胴で沸き立つ熱湯に投入する。

具体的な作り方のショート動画がYoutubeにあったので貼っておこう。後半には、まな板を使う方法も紹介されている。

そちらは中国・山西省の「撥魚麺」と呼ばれる麺の作り方にとても似ている。こういった食文化に興味がある方は、見比べてみると楽しんでいただけることと思う。

ドイツ南部のパスタ、シュペッツレ

そうして茹であがったパスタを冷水で洗えば、シュペッツレの準備完了だ。うどんほどの太さで長さは数センチほど。しかし表面は波打って形状も不揃いな麺。これがシュペッツレである。スーパーでは乾麺の商品も売られていた。

チーズやタマネギと混ぜ炒め

このパスタを深さのあるパンで、チーズや下ごしらえしたタマネギと混ぜ炒める。チーズはドイツ語で「ケーゼ」(Käse)と呼ぶ。つまりケーゼ・シュペッツレは、シュペッツレのチーズ炒めなのだ。麺を焼いた(炒めた)料理の一種とも解釈できよう。

タマネギはあらかじめ仕込み済み

ケーゼ・シュペッツレを炒め終わったら、木皿にクッキングシートを敷いて盛り付け、焼いたハムをトッピング。コショウをかけて完成だ。ちなみに価格は14€だが、木皿のデポジット5€を足して19€支払った。木皿を返却すれば5€は戻ってくる。

ケーゼ・シュペッツレとグリューワイン

ところどころに置かれているテーブルで、クリスマス・マーケット名物のグリューワイン=甘いホットワインも確保。それを飲みつつ、ケーゼ・シュペッツレをいただいた。

ハム入りケーゼ・シュペッツレ 14€

シュペッツレ自体は事前情報の通りニョッキのような食感だ。モチッとしているが、かなり柔らかくてコシはない。そこに濃厚なチーズの旨味と香りが絡む。玉ねぎの甘さ、ハムの塩気も良い。

マカロニ&チーズに通じる味わい

ボリュームはほどほど。日本の縁日の屋台料理と同じく、食事というよりは軽食・スナックなのだろう。全体としてはアメリカ料理のマカロニ&チーズにも通じるわかりやすい味わいで、めっちゃウメーン! ドイツに炒めたパスタ料理があるなんて、知る人も少ないのではなかろうか。

調べたら日本のドイツ料理店でも、ケーゼ・シュペッツレを提供しているところは結構あるらしい。パスタを炒めた料理というのはヨーロッパではたぶん珍しいと思うので、興味のある方は試してみてはいかがだろう?

店舗情報住所: Breitscheidplatz, 10787 Berlin, ドイツ
営業時間: 11月下旬から1月頭にかけて(毎年変更)
ホームページ
主なメニューケーゼ・シュペッツレ 12 €
ハム入り 14€