ヌーベルシノワ 一品香
上海風焼きそば特集、最終週の5週目です。今週は随分と風変わりなタイプの上海風焼きそば(あるいは上海焼きそば)を3店ご紹介して、特集の締めといたします。
渋谷に一品香という中華料理店がある。同じ屋号を名乗る店は各地にあるようだが関係までは未確認。創業70年を謳っているので、1945年(昭和20年)前後の創業なのだろう。広東料理をアレンジしたヌーベルシノワとダチョウ料理が売りのようだ。この店はソース味の独特な上海焼きそばを長年提供している。
1月中旬、平日のお昼時に訪問。場所はセルリアンタワーの裏手、洒落たデザインのビルの地下にある。
店内もビルに負けず劣らずお洒落な雰囲気だ。入って正面にバースタイルのカウンターがあり、フロアにはテーブルが多数配置されている。この日は生憎の雨だったが、ランチタイムで満席だった。数分待って、とりあえずカウンター席へと案内される。
ランチメニューは日替りランチや丼物・麺類とミニ炒飯のセットなど。注文したのは上海焼きそば+ミニ炒飯のセット(972円)。しばらくしてテーブルが空いたとのことでそちらへ移動。細やかな気配りが嬉しい。白と赤を重ねたテーブルクロスにもデザインセンスが感じられる。
注文した品は15分ほどで配膳された。焼きそばとミニ炒飯、スープの入ったお椀が、丸みを帯びたお盆に載っている。
麺は太めの平打ち茹で麺。具は豚肉、キャベツ、モヤシ、人参、ニラ。そして上海焼きそばなのに、味付けは何故かソース味。ただし青海苔や紅生姜はない。
実はこのソース、ハチ公ソースという渋谷のご当地ソースなのだ。昭和21年に地元メーカーが発売したソースで、それ以来この店の上海焼きそばはこのソースを使っているらしい。
マイルドな甘口ソースでフルーティーな風味。モチモチとした食感の太麺と野菜の歯応えも楽しい。肉も薄すぎず厚すぎず。上海とか中華というより、丁寧に作った美味しいソース焼きそばという印象だ。
ミニ炒飯はごく軽め。冷めているのが残念だが、パラパラでコショウの塩梅が自分好みだ。刻んだチャーシューがアクセントになっていて美味しい。
付け合せのスープは干し椎茸が薫る爽やかな一杯。滋味あふれる味わいで、良い口直しになった。ボリュームもランチとして適量で満足できた。
ソース焼きそばが似合わないお洒落空間で、なかなか面白い体験ができた。なぜ上海焼きそばと名付けたのかは謎なのだが、70年もの歴史ある品なので一度食べてみる価値はあると思う。
店舗情報 | TEL:03-3462-1600 住所:東京都渋谷区桜丘町30-3 カヲリビル B1F 営業時間:11:30~15:00 17:00~23:00 定休日:日曜・祝日 → ホームページ |
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主なメニュー | 上海焼きそば 972円 ランチセット 972円~ |
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