ビーフン東
ビーフン。漢字で書くと米粉。福建省周辺が発祥とされ、米を材料にした生地を押し出して麺状にした品だ。福建や対岸の台湾、さらには米の栽培が盛んな東南アジア諸国でも良く食べられている。
さて、新橋駅前ビル1号館にビーフン東という台湾料理店がある。元々、石川にあった日本料理屋が明治中頃に台湾へ渡り、紆余曲折を経て新橋に店を出したとか。店名の通りビーフンが名物のひとつとされている。
訪れたのは6月上旬、平日の夕方17時過ぎ。新橋駅前ビル1号館の第一印象は「質実剛健」。戦後の歴史を感じさせる古い建物で、テナントも趣のある店が多い。二階へ上ると特長的な意匠の店があった。ここだ。
店内はベージュと茶色でまとめられ、思っていたより格調があり落ち着いた雰囲気。客席はテーブル6卓にカウンター9席。自分が夜営業の口開けだったが、後から続々とサラリーマンの客がやってきた。
カウンターに腰掛けてメニューを確認し、五目ビーフン850円(税込み918円)を注文。焼きか汁かを確認され、焼きビーフンでお願いした。ランチの方が割安だが、ま、仕方ない。もう一つの名物とされる粽(ちまき)やビールも頼みたかったが、お財布と相談して今回は断念した。
広い厨房には男性の料理人が3人。一人は中華鍋を振るい、一人は粽を仕込み、一人は下拵えに余念が無い。しばらくして焼きビーフンが運ばれてきた。
麺は極細のビーフン。モソモソとした独特の歯応えと味。具は煮豚・海老・ウズラの卵・白菜・人参・筍・干し椎茸。白菜は大きめに削ぎ切りされ、煮豚は味がよく滲みている。目立たないがさすがに仕事が細かい。
「好みでにんにく醤油を」と言われたが、後掛けなのは面白い。ほんの少し掛けるくらいが自分の好みかな。量は少なめで正直コスパは良くない。ランチに来るか、あるいは台湾料理を沢山堪能した〆に食べるのが良さそうだ。
後から来た客は色々注文して飲み始めた。さすがサラリーマンの聖地。懐が温かい時に再訪してみたい。
ちなみに中国語で「麺」は小麦が原料のヌードルを意味し、米が原料のヌードルは「粉」と呼ぶ。ビーフン=米粉以外に河粉・腸粉などがあるが、その辺はいずれ詳しく取り上げることがあるかも知れない。
4週に渡りました焼うどん特集は今回で締めでございます。最後はうどんからどんどん離れて、素麺だ米粉だになってしまいましたけど。
さて、次回からは食堂の焼きそばです。中華食堂や大衆食堂などなど、オーソドックスなソース焼きそばが中心で驚くような品は無いと思いますが、まったりした心持ちでお付き合いください。
店舗情報 | TEL:03-3571-6078 住所:東京都港区新橋2-20-15 新橋駅前ビル1号館 2F 営業時間:11:30~14:00、17:00~20:30(土:11:30~13:30) 定休日:日曜・祝日 → ホームページ |
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主なメニュー | 五目ビーフン850円 ランチ 並ビーフン 550円 小 400円 大 750円 五目ビーフン 750円 小 500円 大 850円 蟹玉ビーフン 750円 小 500円 大 850円 パーツアン(ちまき) 600円 |
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