飲茶・私房菜
香港グルメの筆頭といえば、そう、飲茶だ。伝統的な茶室もあれば、流行に乗っている店もある。今回紹介する飲茶・私房菜は後者のタイプだ。
香港へ到着した翌日の夕食に訪問。飲茶・私房菜の入っているビルは、中環(Central)と上環(Sheung Wan)の間に位置する。住所は中環だが、駅は上環の方が近い。夜営業は17:30開始。その5分くらい前に着き、口開けの組になった。
店内へ案内されると少しレトロな雰囲気の内装で、テーブルがずらーっと並んでいた。我々が食事している間に他にも数組来たが、すべて日本人客なのがちょっと面白かった。
メニューの写真を撮り忘れたが、漢字と英語で料理名が併記され、主だった品は料理写真もついている。それに数を書き込んで渡せばOK。
着席と同時にとりあえず飲み物を訊かれ、香片茶(ジャスミン茶/18HKDx2人)をお願いした。こちらの店は、陶器の湯呑ではなくガラスのコップで飲むらしい。落ち着く香りだ。
やがて注文した品々が届いた。この店は遊び心にあふれた可愛い点心が名物だ。今回はそれらを中心にオーダーしてみた。
まず一籠八戒(49HKD)。仔豚を模した小ぶりの叉焼まんだ。ピンクの生地で作られた鼻と耳が愛らしい。
かじってみると、甘めの味付けの叉焼餡が入っていた。生地自体も甘めで柔らかく、万人受けする美味しさだ。
続いて涕住流乃(49HKD)。甘いカスタード餡が入った点心だ。焦点の合わない目が特徴的である。
この品は箸で穴をあけ、中のカスタード餡をそっと押し出すと写真映えするとか、しないとか。試してみたがどうだろう?
鳥かごで提供されたのは鴿呑鳳梨(49HKD)。ハトの形のパイナップルケーキで、中にはねっとりした濃厚な甘さの餡が入っている。
生地はホロホロ崩れやすく、お茶受けには最適だ。これも点心に含まれるんだなあ。
点心ばかりでは物足りないので、他に3品ほど注文してみた。清炒時菜(79HKD)。季節の野菜の炒めもので、今回使われているのは菜心だった。さっぱりしたほんのり塩味で、歯ごたえも良し。
阿毛燉湯(59HKD)。「燉湯」は蒸しスープを意味する。骨付きの豚肉や芯付きトウモロコシが使われ、漢方に使われる薬剤も少し入っている。具も美味しいがスープ自体が深い深い味わいだ。啜るだけで癒やされる。
まだお腹に余裕があったので、最後に安格牛河(109HKD)も追加注文してみた。幅広ピロピロのライスヌードル=河粉(ホーフェン)とアンガスビーフを炒めた干炒牛河だ。牛肉のほか、モヤシ、ニラ、紫玉ねぎが使われていた。
アンガスビーフは念入りに油通しされていて、かなり柔らかい。肉肉しい噛みごたえがなくて物足りないほどだが、後日ほかの有名店で食べた干炒牛河も似た方向性だった。この柔らかさが香港での干炒牛河の正解なのかもしれない。
以前、横浜中華街の楽園で食べた干炒河に比べると、老抽(ダーク・ソイ・ソース)のせいで色が濃い。ただ味付け自体は意外に薄めだ。一方、付け合せに出された唐辛子ペーストは辛くてしょっぱい。それを混ぜるとちょうどよい塩梅になって、めっちゃウメーン!
お腹いっぱいになって、お会計は2人で473HKD=9000円弱だった。斬新な点心が目を引きがちだが、それ以外の料理も丁寧に作られているように感じられた。本場の飲茶を手軽に楽しむには最適の店じゃないかなーと思う。
店舗情報 | 住所: 中環德輔道中173號南豐大廈2樓1-2號舖 営業時間: 11:30~16:00, 17:30~22:00 定休日: なし |
---|---|
主なメニュー | 安格牛河 109HKD 一籠八戒 49HKD 涕住流乃 49HKD 鴿呑鳳梨 49HKD |
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません