寿楽
ニシン山椒漬や「ふたえご」の石焼きなど、てんぐや割烹で会津郷土料理に舌鼓を打った土曜の夜、〆に訪れたのがラーメン居酒屋・寿楽。「会津カレー焼きそばの会」の会長が経営してるというお店だ。
お店は繁華街の横丁でちょっと分かりづらい場所にあった。店頭には「会津カレー焼きそば」の幟が翻る。奥に細長い造りで客席はカウンター6席、小上がり3卓。カウンターに常連が一人、一番奥の小上がりに家族連れ。小さいお子さんも居て賑やかだ。
小上がり席に案内され、メニューを拝見してカレー焼きそば900円と生ビール500円を注文。月水金土限定の200円引きセットというのが適用されて、ちょっとお得だ。
まずはすぐに生ビールが出された。ニンニクの利いたビーフンのお通しを肴にチビチビ呑む。
土曜の夜なのでもう少し混んでるかと懸念してたのだが意外に空いている。先に訪れた店でもやはり話題に上ったが、震災と原発事故の影響で会津の観光客は激減してるそうだ。特に修学旅行はキャンセルが相次いでるらしい。
原発のあった浜通りとこの会津地方では風土・気候も全く異なるのに、同県内というだけで忌避されてしまうのは仕方ないのだろうか。放射性物資の影響なら関東平野と同程度のはずなのだが。
そんなことを考えてる間に焼きそば到着。
麺はラーメンと同じだろうか、平打ちで太めの茹で麺だ。加水率が高めでツルツルした食感である。焼きそばの具はキャベツに豚肉。油の多いブタバラと挽肉の二種類が使われているようだ。カレーは味にコクがある。かなりスパイシーだが焼きそばのソースと良い具合にマッチしている。締めとして丁度良く、食事にもなる量だ。
ここまでくるとイタリアンやカリーナの影響はほとんど感じられない。麺もカレーも会津カレー焼きそばとして独自の発展を遂げているようだ。
焼きそばを食べてる最中、「東京から食べに来た」という話題から始まって、店主=カレー焼きそばの会長さんと色々お話できた。特に町おこし関連のイベントの苦労話は興味深かった。
「役所経由で話が回ってくるけど運営や各地への参加は自腹でね。しかも店を閉めなきゃならないのに補償もない。カレー焼きそばで盛り上げたいけど会長としてどこまでやるべきなのかね(苦笑)」
ご当地グルメブームの中、なかなか表に出てこないエピソードを興味深く聞かせていただいた。ただなんのかんの言いつつも「イベントでうちが一番最初に売り切れた」と語ったときは実に嬉しそうだった。
この日の翌日も鶴ヶ城で浪江焼きそばと会津カレー焼きそばが出店する予定だという。浪江・会津とも福島の焼きそばということで震災復興のため組むことも多いのだろう。無理のない程度に頑張ってー。
店舗情報 | TEL:0242-24-8641 住所:福島県会津若松市馬場町1-3 営業時間:18:30~翌2:00 定休日:日曜日 |
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主なメニュー | カレー焼きそば 900円 ラーメン 500円 チャーハン 650円 餃子 350円 生ビール(中) 500円 |
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