丹頂 高城新町店
大分市街地中心部の府内町に丹頂という焼きそば屋があった。昭和35年の創業以来、50年の長きに渡り地元民に愛されてきたが残念ながら2010年3月に閉店。その後、ファン有志によって再開されたらしいが、今年7月末に私が訪れたときにはもう営業していなかった。
閉店していることを知らずに丹頂本店へやってきてしばし呆然。跡地へ虚しく佇むなか、その場でネットで調べて今回紹介する丹頂・高城新町店の存在を知る。
前回紹介したかどや萩原本店から程近い、国道197号沿いにある系列店か。よっしゃ、行ってみよう。と、バイクで移動。ファサードが渋い。焼きそばを大きくアピールしている。
間口が狭いが入ってみると奥行きは結構ある。客席はL字カウンター10席にテーブル2卓。先客は3人で全員が焼きそば定食を食べていた。
メニューは焼きそば屋というよりも中華屋さんだ。ラーメンやチャンポン、定食類に大分名物のとり天もある。焼きそばにわざわざ「鉄板焼」と補足してあるのは、あんかけ焼きそばとの混同を避けるためかな。
「注文はお決まりですか?」
「焼きそば(620円)を単品でください」
こちらの焼きそばは日田系焼きそばがルーツのようだ。茹で麺を鉄板に広げて両面をじっくり焼き上げる。さらにモヤシを乗せ、ソースを掛けて豪快に解し炒め。濛々と湯気が立ち上る様はなかなか壮観である。
一般的な日田系焼きそばとの違いは麺。太い麺が多い日田に対して、こちらは細麺を使っている。モヤシも細く、豚肉は入っているが生玉子は乗ってない。紅生姜は卓上から自分でトッピング。青海苔は無し。
横からみると分かるが、並でもなかなかのボリュームだ。パリパリに焼きあがった細麺は、日田系で標準的な太い麺よりもクリスピーさが増している。生玉子を乗せないのもこの食感を尊重してだろうか。
味付けはフルーティーなソースで、割と濃い目。ご飯が合うであろう味付けで、確かに他の客が定食にするのも分かる。食べ歩きでなければ自分もご飯をつけていたところだ。
あとから来た客も焼きそば大盛りを注文。これだけメニューがあるのに全員焼きそばって凄い人気だな。日田発祥の焼きそばが大分で独自の進化を遂げ、開花してる様子を目の当たりにできて面白かった。本店の閉店で諦めず、ここまで来て良かったなあ。
店舗情報 | TEL:097-558-1155 住所:大分県大分市高城新町9-1 営業時間:11:00~22:00 定休日:日曜日 |
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主なメニュー | 焼きそば(鉄板焼) 620円 ラーメン 520円 チャンポン 700円 焼飯 600円 とり天 630円 |
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