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玉八

あんかけ焼きそばや皿うどん系、3週目。この夏に九州で食べ歩いた3軒をご紹介して締めといたします。


別府の玉八は昭和28年創業のチャンポン専門店だ。通称・裏銀座と呼ばれるとても狭い路地に店舗はある。餃子の老舗『湖月』の隣に位置する。

昭和28年創業 別府市 玉八

頃は7月末の平日、別府で一人飲みした締めに寄ってみた。話には聞いていたが本当に道が狭い。赤字に白く「チャンポン」と染め抜かれた暖簾を潜って店内へ。

玉八 店内の様子

外観通りの鄙びた雰囲気。合板の壁にはポスター一枚貼られていないという飾り気のなさ。客席はテーブル3卓、小上がり3卓。先客なし。

玉八 メニュー

メニューはちゃんぽんやラーメンなどの麺類が中心。自分の目的の品はあんかけ焼きそばだ。

鹿児島や宮崎のちゃんぽん専門店、特に古い店は皿うどんが無い代わりにあんかけ焼きそばを置いている店が多い。揚麺+あんかけの皿うどん的な品を「焼きそば」「あんかけ焼きそば」というメニュー名で出している店もある。もしかしたら大分にも……と推理して調べたら予想通り何軒か見つかった。そのひとつがこの玉八だ。

「ご注文は?」
「あんかけ焼きそば(750円)ください」
「はい、焼きそば一つー」

箸袋のデザインが渋い

厨房から炒める音が聞こえてくる。お冷と箸が先に運ばれて来た。箸袋のデザインが渋い。7分ほどで出来上がり。

あんかけ焼きそば 750円

麺は極細の揚麺。餡は銀餡。具は豚肉・エビ・イカ・キャベツ・干し椎茸・キクラゲ・人参・モヤシ。魚介と野菜が盛り沢山で四つ割にした竹輪も入っている。構成要素は完全に長崎皿うどんだ。

パリパリ極細麺に銀餡と要素は皿うどんなのだが……

しかし食べてみてビックリ。餡がとろ~りではなく、もっちゃりしてて、粘度も高め。片栗粉じゃなく小麦粉でとろみをつけているのだろうか? 初めて体験する食感だがこれはこれでなかなかいける。

魚介たっぷりなのが嬉しい

味わいも一風変わっている。スパイシーな風味はカレー粉か? 見た目と違って色々な点で独特なあんかけ焼きそばだ。ボリューム十分でコスパは文句なし。面白い体験が出来た。

別府市 裏銀座 玉八

なかなか個性的な品だったがやはり長崎の皿うどんを髣髴とさせる焼きそばだった。こういう店がある一方で、佐賀の春駒食堂や先日紹介した有楽町の桃園、そして長崎チャンポン発祥の店・四海楼のように、太いちゃんぽん麺を炒めた品「のみ」を「皿うどん」と呼ぶ店もある。

個人的には古い店ほど「皿うどん=太麺」「焼きそば=あんかけ」の傾向が強いという印象だ。個人的な興味は『細麺パリパリのあんかけ焼きそばが、いつ頃から「皿うどん」と呼ばれるようになったのか』なのだが、いつか分かる日が来ればいいなあ。

玉八

店舗情報TEL:0977-23-2469
住所:大分県別府市北浜1-9-4
営業時間:11:30~22:00
定休日:日曜日
主なメニューあんかけ焼きそば 750円
ちゃんぽん 750円

ラーメン 600円 みそラーメン 650円
チャーシューメン 700円
焼きめし 750円 カレー焼飯 750円
中華丼 750円