甘寅
平成の大合併は色々と気に入らない。たとえば静岡市清水区。実は私、育ったのは掛川だが生まれたのは旧清水市。親戚も居て子供の頃から度々遊びに行ったため、馴染んでもいるし思い入れもある。その清水市が静岡市に吸収されてしまった風でなんとなく寂しい。まあ余所者が言っても詮無いことなのだが。
さてその清水市街に甘寅(あまとら)という店がある。焼きそばやおでんを商う飲食店というだけなら静岡では珍しくもないのだが、この店は洋食も評判が良いらしい。さらにその洋食と焼きそばを組み合わせたセットもあるというから面白い。こちらも神田鯉風先生のブログで紹介されている店だ。
訪れたのは1月上旬、平日の昼下がり。JR清水駅と静鉄・新清水駅の間にある陸橋の側道から路地へと入り目的の店舗を発見。店頭に食品サンプルも置かれているが、例のセットは展示位置が高すぎて良く見えぬ。ともかく入店。
内装は喫茶店のようなモノトーン調で落ち着いた雰囲気。客席はボックス4卓にカウンター3席。先客はご婦人の二人組。二人仲良く後述するBセットを食べている。
さてメニュー。捲るとページがバラバラ外れてしまうけど気にしないでおこう。焼きそばやラーメン、洋食が主体の品揃えで甘味もある。目を引くのはマカロニグラタンと焼きそばのセットだ。ハンバーグの付いたAセット(730円)と無しのBセット(550円)がある。何故こんな組み合わせを思いついたのだろう。
お冷を運んできた物静かな印象の男性店主にAセットを注文。奥にはおでん鍋もあるがセットの量が不明なので止めておいた。敵は炭水化物x炭水化物のハイカーボ食、油断してはいけない。
厨房の様子は見えないが店主一人で調理しているようだ。10分ほどで出来上がり。横長の独特な皿が目の前に置かれ、割り箸とフォークを渡された。ナイフは無いふ。
皿の上には左からソース焼きそば、サラダ、ハンバーグ、マカロニグラタンが盛り付けられている。写真では白飛びしてしまっているが、マカロニグラタンは帆立貝を模した陶器で供された。
まずは焼きそば。麺は硬めの細麺。具はキャベツのみ。紅生姜、青海苔のトッピング。シンプルな焼きそばだが特徴的なのはその味付けだろう。卓上のソースを自分で後掛けして調節する。清水にもあったんだなあ、ソース後掛けスタイルの焼きそば。
ハンバーグは小ぶりだが洋食屋さんらしい手作りの品。デミソースがよく馴染んでいて美味しい。両脇の炭水化物コンビに対してサラダとタッグを組んで抵抗している。
そしてマカロニグラタン。ホワイトソースとマカロニだけのこれまたシンプルな品。抑え気味の味付けでまろやかな味わい。どこまでも白い。そして熱い。
パッと見はコッテリしたセットだが焼きそばもグラタンも味付けが薄めなので最後まで飽きずに食べられた。ミスマッチ感は否めないが、たぶん日本でここだけのオリジナルセットだろう。コスパも良いし、興味のある方は話の種に一度お試しあれ。
店舗情報 | TEL:054-366-1749 住所:静岡県静岡市清水区銀座9-8 |
---|---|
主なメニュー | 焼ソバ 350円 玉子入焼ソバ 400円 大盛焼ソバ 500円 ラーメン 400円 Aセット 730円 (マカロニグラタン、ハンバーグ&サラダ、焼ソバ) Bセット 550円 (マカロニグラタン、焼ソバ&サラダ) Cセット 680円 (マカロニグラタン、オムライス&サラダ) ラーメン焼肉セット(ライス付き) 700円 ラーメンハンバーグセット(ライス付き) 700円 ラーメンチキンカツセット(ライス付き) 700円 |
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません